ルールを守れば扇風機をつけたまま眠るのもあり?

Culture 2019.07.24

夜になっても気温が下がらない日には、私たちは扇風機をつけたまま寝て、暑さによる身体へのダメージを避けようとする。身体によくないように聞こえるかもしれないが、いくつかのルールを守ればそうでもない。そのルールとは?

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暑い時期に部屋で扇風機を回しながら眠るのはよいこと? 悪いこと?  Photo: iStock

真夏の暑さの中で身体をうまく冷やせず、そして部屋の温度が高すぎて、私たちは眠るのに苦労する。その結果、多くの人が身体を冷やして早く眠りにつけるよう、扇風機を使用し、時には夜中スイッチをオンにしたままにする。扇風機による風の流れが身体に影響を与えないわけではないが、それでも私たちの夜の眠りを救ってくれる。専門家がその効果と使用上のヒントを説明してくれた。

空気を乾燥させる

空気が撹拌されると気温がわずかに下がる傾向があり、眠りやすくなる。「扇風機で空気が乾くとともに、呼吸器や皮膚、眼も乾燥します」とパリにある病院オピタル・ホテルデューの睡眠専門医であるマリー=フランソワーズ・ヴェチェリーニ氏は述べる。

そして特に扇風機を顔に直接向けてしまうと、呼吸するたびに口を乾燥させてしまう。同医師いわく、寝る前に扇風機を顔から離し、室内に水を入れたボウルや湿らせたタオルを干すなどして部屋の湿度を上げたり、顔の保湿をしっかりしたりしておこう。

大気中の汚染物質とアレルゲン

「空気を循環させる時、同時に部屋のほこりが、塗料、エアロゾールや消毒用スプレーから発生する刺激性汚染物質、ダニ、カビ、動物のふけ、花粉などと混ざります」とアレルギー専門医であり、アレルギー・喘息協会のカウンセラーでもある仏アレルギー学会代表のファリド・マルムーズ氏は語る。

「敏感で風邪や喘息になりやすい人にとって、これらの汚染物質は鼻や口腔の粘膜から侵入したり、皮膚に付着したりして刺激となり、気管支炎、鼻炎、結膜炎などを引き起こします。また、それらは湿疹の原因となるアレルギー物質が肌へ浸透するのを促進します」と同氏は続ける。これらの不快感を防ぐために、定期的に扇風機を掃除してほこりを取り除こう。また扇風機を顔の方に向けるのは控えたほうがよい。

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体温調節がうまくできない

扇風機というのはとても単純な作りで、扇風機が作り出す風は眠っている人の身体に直接当たり、ときにはひんやりした感触や新鮮な空気を与えてくれる。Réseau Morphée(イル・ド・フランスに拠点を置く睡眠障害に悩む人々をサポートする団体)の代表であり、睡眠の専門医であるシルヴィー・ロヤン=パローラ氏は「扇風機の風が身体に直接触れると、風邪をひきますし、体温が適切に調節されません」と警告する。

夜じゅう扇風機をつけておきたいと思うのであれば、いくつかの注意が必要だ。十分に距離を離したうえで扇風機を足元の方へ向けるか、またはブランケットや薄手の衣服で身を覆うようにして直接皮膚に空気が触れないようにし、風邪を引かないように気を付けよう。

騒音は眠りを妨げる

騒音は夜の睡眠の質を下げる。一晩中回り続ける扇風機のファンもまた睡眠を妨げる。医師のフランソワーズ・ヴェチェリーニ氏は、「扇風機を部屋に置いても快適に過ごすためには、風量を調整してみてください。またはイヤホンを両耳に入れて眠るのもよいでしょう」と勧める。

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texte : Mélodie Castan (madame.lefigaro.fr), traduction : Hanae Yamaguchi

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