『ワンハリ』で注目の新星、マーガレット・クアリーのこと。

Culture 2019.09.06

現在、日本でも公開中の映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』。このクエンティン・タランティーノの最新作で、女優のアンディ・マクダウェルとミュージシャンのポール・クアリーの娘、マーガレット・クアリーがブラッド・ピットらと共演し、話題になっている。ほっそりとしたシルエットとしなやかな身のこなしが印象的なマーガレット。今後ますます注目されるに違いない彼女の経歴をたどる。

190829-margaret-qualley-au-met-gala.jpgMETガラに参加したマーガレット・クォーリー。(アメリカ・ニューヨーク、2019年5月6日)photo:Getty Images

マーガレット・クアリーはブラッド・ピットと世界中の観客を魅了した。それどころか、映画雑誌『プレミア』の記者のフランソワ・リウは「彼女の存在感は主演のマーゴット・ロビーを完全に凌駕している」と絶賛している。女優のアンディ・マクダウェルとミュージシャンのポール・クアリーの娘であるマーガレットは、クエンティン・タランティーノ最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で注目を集める新進気鋭の若手女優だ。現在24歳でモデルとしても活躍する。今作での出演時間は、ブラッド・ピットの傍らでたった数分だが、そのオーラは映画批評家たちの目に止まった。

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「イットガール」の素質十分

190829-margaret-qualley-et-andie-macdowell.jpgカンヌ国際映画祭に登場したマーガレット・クアリーと母のアンディ・マクダウェル。(フランス・カンヌ、2012年5月27日)photo:Getty Images

女性の登場人物の描き方がステレオタイプである点がマイナスと本作を評する『ガーディアン』紙も、「スターになろうとする過程」を演じたマーガレットは例外としている。映画批評サイト「インディワイヤー」の記事では、「マーガレット・クアリーは、どうしてタランティーノの新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のイットガールになったか」というストレートな見出しをつけ、彼女の女優としての躍進に着目している。タランティーノ監督も「彼女の出演シーンはどれも上出来で、編集でカットするところがなかった」と発言。高い評価を得た彼女だが、実は危うくキャスティングから外されるところだったとか。

1994年10月23日、モンタナ州生まれ。ノースカロライナ州アシュビルで育った彼女は、早くからバレリーナとして舞台に立ち、16歳までバレエを続けた。その後、モデル、女優として活動を始める。2018年にタランティーノ作品のオーディションを受け、エージェントからブラッド・ピットと一緒に演じることになったと知らされた時は、とても信じられなかったという。『インディワイヤー』のインタビューで当時を振り返り、「もちろん、とても怖かった」と語っている。

唯一気がかりだったのは、バレリーナ時代に変形してしまった足のこと。彼女とブラッド・ピットが共演した忘れがたいシーンの撮影で、監督からその醜い足を車のフロントガラスに押し付けるよう指示された時には、めまいを覚えたという。「私は率直に『クエンティン、それはやめたほうがいいわ』と言ったの。長い間、ポワントで踊っていた私の足の親指は、世界中の人に見せられるようなものではないのよ、って」。しかし最終的に、彼女は監督の要求を呑むことになる。

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スターへの道

選択は正しかった。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』はフランスで8月12日に公開されると、初日に19万2千人もの観客動員数を記録。マーガレットにとって興行的に最もヒットした出演作となった。ただし、女優デビューは6年前に公開されたジア・コッポラ監督作『パロアルト・ストーリー』にさかのぼる。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Spike! @kenzo

Margaret Qualleyさん(@margaretqualley)がシェアした投稿 -

マーガレットのインスタグラムへの投稿より。

人気が上昇し始めた頃、2017年には29歳の姉レイニーとロサンゼルスに移住。ハリウッドに進出し、これまでにテレビシリーズ「Leftovers/残された世界」、映画『クローズド・ガーデン』(2017年)、『Death Note/デスノート』(2017年)、『Donnybrook』(2018年)などに出演した。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』一般公開の直前には、テレビシリーズ「Fosse/Verdon」での演技が評価され、エミー賞の助演女優賞にノミネートされている。

2015年にはパリで開催される舞踏会「ル・バル・デ・デビュタント」にも招待されているが、マーガレットが多くの人々に鮮烈な印象を与えたのは、スパイク・ジョーンズが監督を務めた2016年のKENZOのCMに間違いない。このファンタスティックなCMでは、グリーンのドレスを纏ったマーガレットが、彼女自身も振り付けに関わった奇妙な動きのダンスを披露した。

それから3年経った現在、ハリウッドの期待の星として注目を集めるマーガレット。29万5千人のインスタグラムフォロワーの中には、ジェニファー・ガーナー、エマ・ロバーツ、ビジー・フィリップスなどのスターが名を連ねる。今年5月6日にはMETガラのレッドカーペットに初登場し、世界のトップスターの仲間入りを果たした。マーガレットがハリウッドスターの道を歩み始めたのは明らかだ。シガニー・ウィーバーと共演したフィリップ・ファラルドー監督作映画『My Salinger Year』、クリステン・スチュワート主演の政治スリラー映画『Seberg』にも出演、こちらの公開も待ち遠しい。

texte : Chloé Friedmann (madame.lefigaro.fr)

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