チリの傑作戯曲を、宮沢りえ主演で上演。

Culture 2019.09.26

美しい旋律を伴う悪夢が、狂気へと変わる時。

『死と乙女』

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ポーリーナ役の宮沢りえ(中)、その夫で弁護士ジェラルド役の堤真一(右)。ポーリーナの復讐の的となる医師ロベルトを演じる段田安則。

南米チリの劇作家アリエル・ドーフマンの傑作戯曲を、宮沢りえ、堤真一、段田安則の共演で上演する。軍事独裁政権崩壊直後に書かれた『死と乙女』では、シューベルトの同名弦楽四重奏曲にのせて、極限の状況下で受けた心の傷を発端とする狂気が、3人の登場人物によるサスペンス劇として描かれる。自身も弾圧を受けた作家の作品であると同時に、いまも世界中で上演されているのは、こうした弾圧がどこででも起こり得るというテーマの普遍性と、人間の心の闇を炙りだす高度な作劇術にある。

かつて学生運動で治安警察の過酷な拷問を受けたトラウマに苦しむ女。ある夜、夫が連れて帰った男が、彼女の辛い記憶を呼び覚ましていく……。1992年のブロードウェイ上演でグレン・クローズにトニー賞最優秀女優賞をもたらした緊迫のドラマに、宮沢りえが挑む。演出は小川絵梨子。

『死と乙女』
シアタートラム(東京・三軒茶屋)
日程:9/13~10/14
全席指定¥8,000 
※当日券あり。

●問い合わせ先:シス・カンパニー 
tel:03-5423-5906
※10/18~21大阪にて公演あり。
www.siscompany.com/sisotome

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*「フィガロジャポン」2019年10月号より抜粋

réalisation : KAORI SHINDO

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