ゴッホの見た色と光を、異才シュナーベルが描き出す。

Culture 2019.11.13

未来の人たちに絵を託した、竜巻のようなゴッホの筆勢。

『永遠の門 ゴッホの見た未来』

1911xx-cinema-03.jpg

『バスキア』で監督デビューする前に画家として世に出た異才シュナーベルが目指すのは、悲劇的な「狂気の天才」のゴッホ伝の再生産ではない。生前には認められず、絵も売れず、パリでもアルルでもオーベルニュでも奇人扱いされるゴッホが、光と色が渦をなす南仏の自然に「感電」し、その霊感をいかに画布に刻印するか。めまいの中で覚醒するような、狂おしくも悦ばしい充溢の時間を、流動体として映画は私たちに届けてくれる。ヴェネツィア国際映画祭で最優秀男優賞を獲ったウィレム・デフォーが体現するのは、苦闘を経ての神々しさ。

『永遠の門 ゴッホの見た未来』
監督・共同脚本/ジュリアン・シュナーベル
2018年、イギリス・フランス・アメリカ映画 111分
配給/ギャガ、松竹
新宿ピカデリーほか全国にて公開中
https://gaga.ne.jp/gogh

【関連記事】
『永遠の門 ゴッホの見た未来』について、ジュリアン・シュナーベル監督にインタビュー。

*「フィガロジャポン」2019年12月号より抜粋

réalisation : TAKASHI GOTO

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

フィガロワインクラブ
Business with Attitude
キーワード別、2024年春夏ストリートスナップまとめ。
連載-パリジェンヌファイル

BRAND SPECIAL

Ranking

Find More Stories