迷宮入りした名画盗難事件に着想を得た傑作ミステリー。

Culture 2020.01.29

名画盗難の実話に着想した、虚々実々のバトルの悲喜劇。

『盗まれたカラヴァッジョ』

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バロック絵画の巨匠カラヴァッジョの『キリスト降誕』が1969年、盗難に遭う。この世紀の迷宮事件に想を得た会心のミステリー。ヴァレリアは花形脚本家の愛人兼ゴーストライターだ。謎の老人から入手した名画がらみの殺人事件の怪情報を脚本にすると、大評判に。だが、真犯人を逆なでしたのか、撮影が始まるや襲撃者の影がちらつく。名画奪還にうごめく権力者の暗躍が、ヴァレリアを動揺させる母と父の秘話を伴い、戦慄的に浮上する。ゴーストライターという匿名性や、映画作りの映画という入れ子構造とトリッキーに連動して。

『盗まれたカラヴァッジョ』
監督・共同脚本/ロベルト・アンドー
2018年、イタリア・フランス映画 116分
配給/サンリス
恵比寿ガーデンシネマほか全国にて公開中
https://senlis.co.jp/caravaggio

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*「フィガロジャポン」2020年3月号より抜粋

réalisation : TAKASHI GOTO

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