山崎まどかが映画に見いだす、イットガール誕生の瞬間。
Culture 2020.02.04
映画はイットガール誕生の瞬間を知っている。
『映画の感傷 山崎まどか映画エッセイ集』
山崎まどか著 DU BOOKS刊 ¥2,420
まだ無名だったレナ・ダナムを発見した瞬間を、著者は、まず鮮やかに切り取ってみせる。インディーズ映画の予告編を観ただけでイットガール誕生の予感に震えたのは、まだ何者でもなかった頃の自分と重なったせいだ。映画の中に、かつて女の子だった私たちがいる。ウィノナ・ライダーやキルスティン・ダンスト、彼女たちが特別だったのには理由がある。時代とともに更新されてきたイットガールたちの肖像を読み解けば、あの頃抱いていた焦燥や憧れがよみがえる。
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*「フィガロジャポン」2020年2月号より抜粋
réalisation : HARUMI TAKI