怒れる地元少年たちの反乱、現代版『レ・ミゼラブル』。
Culture 2020.03.20
若い異才が挑発的に紡ぐ、 現代の"無情"と情の発火点。
『レ・ミゼラブル』
ユゴーの『レ・ミゼラブル』の舞台、パリ郊外モンフェルメイユはいまや移民の町。貧困と犯罪のこの「陸の孤島」に着眼し、多様な出自の住人と警官が織りなす一触即発のトラブルの膨張を、フランスの新鋭がヒリヒリと描き出す。一見荒削りな演出だが、細やかな目配りも。怒れる市民の中に賢者風のケバブ料理人がいる。強硬な古株警官の中に融和を望む新任がいる。サーカスの仔ライオンの盗難劇を発端に、最弱の立場の地元少年たちが反乱。その切実さと解放感は、なるほどレミゼに通じ合う。カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞。
『レ・ミゼラブル』
監督・脚本/ラジ・リ
2019年、フランス映画 102分
配給/東北新社
2月28日より、新宿武蔵野館ほか全国にて公開
http://lesmiserables-movie.com
監督・脚本/ラジ・リ
2019年、フランス映画 102分
配給/東北新社
2月28日より、新宿武蔵野館ほか全国にて公開
http://lesmiserables-movie.com
*「フィガロジャポン」2020年4月号より抜粋
réalisation : TAKASHI GOTO