1980年代から現代へ、激動の中国で生きる夫婦の絆。

Culture 2020.04.04

驚異の経済成長の裏を映す、密な繋がりの喪失と蘇生。

『在りし日の歌』

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小学校高学年のシンを水難事故で突然失う工員夫婦。現場には息子の幼なじみのハオも。映画は、地方の国営工場の同僚同士、同年同日にシンとハオが生まれた因縁から、2組の夫婦が家族ぐるみの付き合いを始める1980年代に遡る。やがて、中国の高度経済成長は、夫婦2組を富と零落の両極に離反させ、ゆゆしい故郷喪失も招く。94年のシンの溺死現場が角度を変え、要所で繰り返される。徐々に浮かび上がる真相が、2010年代の工員夫婦の帰郷を慈悲に満ちた名シーンに。ベルリン国際映画祭で最優秀男優賞と女優賞をW受賞。

『在りし日の歌』
監督・共同脚本/ワン・シャオシュアイ
2019年、中国映画 185分
配給/ビターズ・エンド
角川シネマ有楽町ほか全国にて公開中
※上映日程・時間変更などの情報は各劇場公式ウェブサイトをご確認ください。
www.bitters.co.jp/arishihi

*「フィガロジャポン」2020年5月号より抜粋

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réalisation : TAKASHI GOTO

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