ミツバチと人の共存を描く『ハニーランド 永遠の谷』

Culture 2020.07.02

市場経済の猛威をはね返す、ミツバチと人の共存の姿。

『ハニーランド 永遠の谷』

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ギリシャの隣、北マケドニアの電気も水道もない谷間の村。中年の女性ハイツェは盲目の老母の面倒を見ながら、古くから続く養蜂を営む。岩場の洞に巣を見つけて蜜を採取。半分だけ採って質素な生活を守り、半分はミツバチに返す、という欧州で最後の自然養蜂だ。巣箱式の養蜂に失敗した隣の一家が都会の業者の利益追求に押されて付近の生態系を壊滅させ、ハイツェが窮地に陥る悲運には胸が痛くなる。長期取材による強靭なドキュメント素材から原型的な物語を切り出し、女性と自然の蘇生力をふくいくと感じさせる秀作。

『ハニーランド 永遠の谷』
監督/リューボ・ステファノフ、タマラ・コテフスカ
2019年、北マケドニア映画 86分
配給/オンリー・ハーツ
アップリンク渋谷ほか全国にて公開中
http://honeyland.onlyhearts.co.jp

●新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止により、公開時期が変更となる場合があります。最新の情報は各作品のHPをご確認ください。

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*「フィガロジャポン」2020年7月号より抜粋

realisation : TAKASHI GOTO

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