『誰がハマーショルドを殺したか』が暴く、歴史の闇。

Culture 2020.07.24

虚実不明の危険も辞さない、現代史最大の謎の探訪ルポ。

『誰がハマーショルドを殺したか』

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1961年、コンゴ動乱の停戦調停を期して飛んだ、第2代国連事務総長ハマーショルドのチャーター機がアフリカの森に墜落。冷戦期指折りの未解決事件に。当時の調査員の息子を伴い、2011年に墜落現場の新目撃証言を得て以来、粘りの取材は長期に及ぶ。殺人ミステリーの目的が真犯人の特定なら、映画はゴールを越え、アパルトヘイト下の南ア秘密組織の謀略という怪魚をも釣り上げる。その茫然自失のスリルは、制作過程の仕掛けや失敗も隠さない、監督らの身軽さとしなやかさゆえのものだ。

『誰がハマーショルドを殺したか』
監督・脚本/マッツ・ブリュガー
2019年、デンマーク・ノルウェー・スウェーデン・ベルギー映画 123分
配給/アンプラグド
渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国にて公開中
http://whokilled-h.com

※新型コロナウイルス感染症の影響により、公開時期が変更となる場合があります。最新情報は各作品のHPをご確認ください。

*「フィガロジャポン」2020年8月号より抜粋

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réalisation : TAKASHI GOTO

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