イタリアの巨匠が描く、「裏切りの美学」とは?
Culture 2020.09.18
マフィアの栄華と衰亡が、イタリア現代史とクロス。
『シチリアーノ 裏切りの美学』
『ゴッドファーザー』ばりの抗争劇と家族劇の要素に加え、反マフィアの急先鋒ファルコーネ判事を準主役に立てた法廷劇を巨匠は中心に据える。北南米にも顔が利くボスのブシェッタ。敵に息子を惨殺されたあげく警察に捕まり、彼は決心する。判事の執念に感化されての改悛か、劣勢から敵のファミリーを総崩れさせる賭けか。1986年の大裁判は怒号と掟破りの内情暴露が飛び交い、乱痴気コメディと化す。その後の悲劇を車中から捉えたシーンも鮮烈だ。乾いた活劇と映画的悦楽の大河ロマン。
『シチリアーノ 裏切りの美学』
監督・共同脚本/マルコ・ベロッキオ
2019年、イタリア・フランス・ブラジル・ドイツ映画 152分
配給/アルバトロス・フィルム、クロックワークス
ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開中
https://siciliano-movie.com
監督・共同脚本/マルコ・ベロッキオ
2019年、イタリア・フランス・ブラジル・ドイツ映画 152分
配給/アルバトロス・フィルム、クロックワークス
ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開中
https://siciliano-movie.com
*「フィガロジャポン」2020年10月号より抜粋
réalisation : TAKASHI GOTO