香港と大陸を舞台に、少女が密輸に関わった理由とは。

Culture 2021.01.17

全盛期の香港映画を思わせる、みずみずしい青春ノワール。

『THE CROSSING ~香港と大陸をまたぐ少女~』

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16歳のペイは深圳(シンセン)から船で香港の高校に通う。夫と別れた母の稼ぎは、細々と営む雀荘頼み。手製のスマホケースを級友に売って小遣いにするペイの夢は、雪の北海道の旅だ。白雪(バイ・シュエ)という美しい名の新鋭監督は、ペイの無邪気な小遣い稼ぎが、深圳・香港間の課税差に目をつけた組織絡みのスマホ密輸へと転げ落ちる様子を活写する。痛ましくも、魅惑とスリルに満ちたノワール感。香港の裏通りの穴ぐらに少女アリスが紛れ込んだかのような。憧れと傷心の青春期を生きる少女の鼓動が、社会の影でビートを刻む。

『THE CROSSING ~香港と大陸をまたぐ少女~』
監督・共同脚本/バイ・シュエ
2018年、中国映画  99分
配給/チームジョイ
TOHOシネマズシャンテほか全国にて公開中
https://thecrossing-movie.com

※新型コロナウイルス感染症の影響により、公開時期が変更となる場合があります。最新情報は各作品のHPをご確認ください。

*「フィガロジャポン」2021年1月号より抜粋

réalisation : TAKASHI GOTO

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