職場にいる苦手な人、どうやって付き合っていけばいい?

Culture 2021.04.20

仕事でもプライベートでも、苦手な相手や嫌いな人はいるもの。その人とどうしても向き合わなければならない場合、どういう心づもりで相手に向き合えばよいのだろう。『働く女子の人間関係術 社会人として人に接する42の常識』(福島哲史著 CCCメディアハウス刊)より、アドバイスを抜粋、再編してお届けする。

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写真はイメージ photo:kieferpix_istock

文/福島哲史

相手のいいところを探してみよう。

嫌いな人、気の合わない人はどこにでもいるものです。誰だって、できればその人とのかかわりはなくなったほうがいいと思っていることでしょう。ましてや、職場や学校で毎日顔を合わせ、つき合っていく相手なら、なおさらです。

そういうときにはまず、相手がどんな人間であっても、そんなことは自分とは直接関係ないのだと、一度切り離すと楽になります。切り離して考えることができず、悪口を言ったり、ストレスをため込むのが一番よくありません。へたに仲よくしようとしたって、もともとそりが合わないのだから、うまくいくはずがないのです。

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あなたがあなたであるという存在理由は、他人からどうこう言われるべきことではありませんし、同様に、あなたが相手を嫌いだと思ったり、言ったりするべきでもないのです。どう思おうとそれぞれの考えは自由であるということが前提です。ただし、感情を言葉に出してしまうと、そこからぎくしゃくした関係が生じます。この段階をまずは分けて考えることです。

「おまえの顔は嫌いだ」

そう言ったところで、あるいは言われたところで、どうしようもないことについては仕方がないのです。行動や振舞いなら変えられるかもしれませんが、その人の主権、つまり考え方や性格は認めてあげなくてはいけません。その上で、もし、あなたの好き嫌いが何かのきっかけで起こったことなら、その理由を考えるのが第一です。

・いったい、その人のどこが気に入らないのか。それはどうしてなのか。
・いったい、嫌いになったのは何が原因なのか。
・その原因は事実なのか、自分がよくないほうに思い込んでしまっただけではないか。

変えるべきことは、相手の考えや性格ではなく、あなたと相手との関係だけなのです。気に入らない人とでも、そのつき合い方をよくすればいい。そうすればうまくいきます。

そこであなたとうまくいかない人との考え方や性格の違いを自覚するために、「性格」「考え方(政治、教育など)」「人づき合い」「趣味」「育ち方(学歴、出身地など)」「夢、将来設計」「能力」「自分との違い」の計8項目に分けて考えてみたらどうでしょうか。まずは自覚することから、関係は変わっていきます。

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嫌いな相手のいい点、悪い点を認めよう。

人に好き嫌いの優劣をつけて、好きな人とだけつき合うのは、美味しいものだけを食べつづける生活のようで、そんな生活は身体にも自分の成長にも悪いです。あなたにとって塩や胡椒やワサビのような人間が、自分に降りかかってくるからこそ、人生にも味わいが出るのです。また、噛めば噛むほどに出てくる味はそう簡単にわかるものではありません。

自分が好きな人から得るものよりも、嫌いな人から得るもののほうがよっぽどためになることが多いのです。好きな人には一挙一動に強く関心をもつものなので、身になることが自然に入ってきて、学ぶことができます。しかし、それは自分にもともと合っていたものですし、自然と入りやすい分、特に気にかけなくてもいいものです。だからこそ自分の最も嫌いな人に踏み込んでみましょう。嫌って見ようともしなかったことを、もっと深く再認識するのです。それは自分の考え方を知るための大きなヒントとなります。

・相手の性格、気質、行動、考え方、外見、センス、姿勢……。

まず相手の嫌なところをどんなことでもいいので、目一杯書き出してみましょう。そして次に、相手のいいところを書き出してみましょう。嫌いな相手なので、探すのは大変でしょうが、ほんの少しでいいので、探し出して書き込んでみましょう。そのとき注意が必要なのは、事実と思い込みをはっきりと分けることです。わかりやすくするため、実際にあった出来事にはアンダーラインをつけてみるといいです。

・もしその人でなかったらどう思ったか。
・もし好きな人がそうしたらどう思ったか。

の二通りに書き分けてみるのもいいでしょう。

また、その人が好きだと言う人がいたら、その人のどこが好きなのかを聞いてみるのもいいです。“坊主憎けりゃ袈裟まで憎い”。反対に、相手を好きになりすぎると“あばたもえくぼ”と言われます。相手の好き嫌いにかかわらず、自分の気持ちに流されていると、人間の本質の部分が見えなくなります。

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『働く女子の人間関係術 社会人として人に接する42の常識』

福島哲史 著

CCCメディアハウス

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます。)

 

texte:TETSUSHI FUKUSHIMA

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