英王室、有色人種の採用拒否か。記録文書明らかに

Culture 2021.06.05

英国王室が少なくとも1960年代後半まで、「有色人種の移民」や「外国人」を事務職として採用することを拒否していたと、6月2日、ガーディアン紙が報じた。エリザベス女王は40年以上にわたり、性差別および人種差別を禁止する法律の適用除外を受けていたとされる。

elizabeth-ii.jpeg軍旗敬礼分列式に参加するエリザベス女王。(ロンドン、2015年6月13日) photo : Getty Images

去る3月11日、ロンドンの学校を公式訪問したウィリアム王子は「私たちの家族は決して人種差別主義ではない」と強調していた。しかしこの発言は、6月2日にガーディアンが報じた衝撃的な新事実を想定したものではなかっただろう。

ガーディアンによると、バッキンガム宮殿は少なくとも1960年代後半まで、事務職や上級職に「有色人種の移民や外国人」を採用することを拒否していたという。さらに、王室関係者がエリザベス女王とその家族のため、差別禁止法の適用除外を求めたといわれている。

同紙が英国王室の同意手続き(英国王室の特権や利益に影響を与える法律は、国会で審議される前に英国王室が承認しなければならない)を調査していたところ、バッキンガム宮殿が差別を禁止する法案から女王とその家族を除外するよう交渉していた文章を発見した。

国立公文書館に保管されている文章によると、内務省職員が、女王の最上級顧問の一人である財務責任者のトライオン卿(1976年に死去)から、王室では有色人種の移民や外国人を事務職に採用していないと伝えられた、と語っている。

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また聞き?


トライオン卿は、外交官採用の際に英国居住が5年未満の応募者を除外できるのと同じような除外規定があれば、王室は人種差別法案に同意するだろうと示唆していた。しかし、「有色人種を通常の家事労働に従事させること」は認められていた。

現在でも、女王とその家族はこの差別禁止法から公式に免除されている。しかし、バッキンガム宮殿のスポークスマンが5月3日にAFPに語ったように、「原則的にも実践的にも」女王と王室は法をに遵守しているという。

「このことは、王室の慣習の多様性、包括性、威厳に反映されている」。さらに、スポークスマンは「50年以上前の会話のまた聞きに基づいた主張を、今日の物事がどのように行われているかの結論や憶測を引き出すために用いるべきではない」と付け加えた。

一方、これらの慣行がいつ終わったのかは誰にもわからない、とガーディアンは述べている。バッキンガム宮殿は、1990年代以降、マイノリティが宮殿で雇用されていた記録があると明かした。しかし、それ以前には同様の記録は残っていなかったという。

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サセックス公爵夫人の告発

アメリカで放送された衝撃のインタビューで、王位継承順位6位のハリー王子と妻メーガン・マークルが王室の人種差別を告発してから、わずか数カ月での暴露となった。

サセックス夫妻は、オプラ・ウィンフリーのインタビューの中で、王室のあるメンバーが息子アーチーの肌の色について懸念を示したと発言していた。英国王室は声明の中で、「提起された問題、特に人種の問題は懸念される」と回答。「いくつかの記憶は異なるかもしれないが、非常に深刻に受け止め、家族でプライベートに対応する」としている。

text : Chloé Friedmann(madame.lefigaro.fr) with AFP

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