よく眠れない? それ、プレ更年期のせいかも。

特集

文/山口華恵(翻訳家、ライター)

30代後半から夜ベッドに入っても、スッと寝つけないことが月に数回起こるようになった。私の場合は、決まって排卵日と生理の直前である。ある日、30〜40代の友人たちに聞いてみると、「明け方に一度起きる」「夜中に起きて眠りに戻れない」「寝たのに疲れが取れない」とそれぞれ傾向は違っても、眠りに関して悩んでいる人はけっこう多かった。

210608_iStock-1191287604.jpg厚生労働省(2019年)によると、日本人の1日の平均睡眠時間は6時間以上7時間未満がもっとも多く、女性の約4割は6時間未満と回答している。photo:iStock

月に数日とはいえ、眠れないのはとにかく辛い。こんな症状を緩和したいと思い、生理と関係があるのか?とかかりつけの婦人科医に相談をしてみた。以前の記事でも触れた、AMH(抗ミュラー管ホルモン)採血検査では特に異常はみられなかった。とはいえ、年齢とともに女性ホルモン(エストロゲン)が減り始めるため、更年期そのものではないものの、その前段階として眠りに関する悩みを訴える女性は少なくないと言う。いわゆる「プレ更年期」らしい。

日本産婦人科学会の定義によれば、「更年期」とは、閉経前の5年間と閉経後の5年間とを併せた10年間を指すが、閉経に向けて心身の変化が生じ始める30代後半~40代半ばの時期は、プレ更年期と言われている。更年期障害の症状は大きく分けて3種類ある。「血管の拡張と放熱に関連する症状(ほてりやのぼせなど)」「その他の身体症状(めまいや肩こりなど)「精神症状(不眠や意欲の低下、イライラなど)」だ。プレ更年期ではこれに似た不調が現れるそうだ。

30代後半から始まった月に数回の寝つきの悪さは、プレ更年期の症状のひとつであった。ではその改善策はというと? 私の場合は、医師からPMS(月経前症候群)を緩和する漢方薬と必要に応じた市販の睡眠改善薬の使用を勧めらられた。市販薬の場合、一度試して効果を実感できれば、月に数日飲む分には依存性は心配いらないとのことであった。一方、処方箋による睡眠導入剤や睡眠薬は慢性症状ではない場合、安易な長期的服用は中毒性も懸念されるのでおすすめしないとのことであった。

ちなみにこの市販の睡眠改善薬、気になるけれど使ったことはない人も多いかもしれない。かつて外資系PR会社に勤務していた20代の頃、全世界で展開する某睡眠改善薬(一般用医薬品)の日本新規参入時のPRプロジェクトに携わったことがある。当時、流行り始めたSNSを中心とした啓発活動を通じ、働き盛りの多くの女性が眠りの悩みを抱えていることがわかった。

一方、悩みを解決する具体策を取っている人は少なく、さらに睡眠改善薬に対して抵抗感を示す人も少なくなかった。しかし、その有効成分は総合感冒薬や鼻炎薬などにも一般的に含まれる抗ヒスタミン作用のある塩酸ジフェンヒドラミンであり、用法用量を守れば副作用の心配も少ない。アメリカに暮らした30代、日本への一時帰国の際は時差ボケが辛いので毎回使用し、効果をしっかり実感できた。一時的な寝つきの悪さには選択肢のひとつになる。

寝つきの悪さの原因はもちろん、プレ更年期や更年期に限らない。不眠の症状や原因は人それぞれであり、その対処法もそれぞれ異なる。睡眠時無呼吸症候群(SAS)やうつ病などの他の病気が原因の可能性も考えられるだろう。寝つきの悪さに不安を感じたり、長期化したりしている場合には迷わず医師に相談するべきだ。

山口 華恵 HANAE YAMAGUCHI
つくば在住の翻訳者/ライター。10年の海外暮らしを経て今一度、日本の暮らしを満喫中。趣味は自然散策とアウトドアレジャー。

text: Hanae Yamaguchi

RELATED CONTENTS

BRAND SPECIAL

    BRAND NEWS

      • NEW
      • WEEKLY RANKING
      SEE MORE

      RECOMMENDED

      WHAT'S NEW

      LATEST BLOG

      FIGARO Japon

      FIGARO Japon

      madameFIGARO.jpではサイトの最新情報をはじめ、雑誌「フィガロジャポン」最新号のご案内などの情報を毎月5日と20日にメールマガジンでお届けいたします。