美学を持つ人たちの選ぶ、美しい音楽。 小林エリカが選ぶ、ありのままを歌う美しき1曲。

Culture 2021.08.12

美意識を育んでくれる一方、選ぶ段階からセンスが問われる映画・本・音楽。多方面で活躍する憧れの彼女たちが独自の観点で選んだ、主人公の生き方や洗練の描写など、至極の美を体現する作品を紹介。

作家で漫画家の小林エリカさんが選んだ1曲は、寺尾紗穂のアルバム『風はびゅうびゅう』より「2005年の岸辺から」。この曲に彼女が見出した美しさとは?


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マイナスな感情もすべて受け入れる、透明な声の包容力。

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寺尾紗穂 ミディ ¥3,300

「迷ったり悩んだり、ずっと先が見えない場所へ足を踏み出して進んでいこうとする時、自分でいつも聴くことにしているアルバムです。寺尾紗穂さんの音楽の美しさは、人の心の中にある迷いや悩みや弱い心まで、みんなひっくるめて歌にして、私たちを包み込んでくれること。人間は決して強いだけの存在ではなくて、時には醜かったりずるかったり、残酷だったりする。けれど、それでもそのありのままを歌にできる力が、本当に何よりも美しく、まぶしく思えます」。朝露が光る澄んだ空気を思わせる、透明で柔らかく、すがすがしいほどに清らかな歌声。落ち着いたトーンのピアノの音色と、奏でられる見事なハーモニーを耳にすれば、荒んだ心が癒やされるはず。

小林エリカ作家 / 漫画家
ERIKA KOBAYASHI
近著に『トリニティ、トリニティ、トリニティ』(集英社刊)など。執筆業のほか、アートの展覧会も行う。

※『フィガロジャポン』2021年7月号より抜粋

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