アフガンの女性を守れ!俳優や活動家らが声上げる。

Culture 2021.08.19

アフガニスタンの何千人もの人々がタリバンの新政権から逃れようとする中、著名人たちが国際社会に、住民、特に女性と少女を守るよう呼びかけている。

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タリバンの政権掌握により、アフガニスタンの女性や少女たちの身を案じる投稿が相次いでいる。photo : iStock 

8月15日、アフガニスタンを脱出したアシュラフ・ガニ大統領は「タリバンが勝利した」という言葉で政府の敗北を表明し、国民を混乱に陥れた。女性と少女の状況をさらに脆弱なものにするタリバンによる権力の掌握。人々はみな、1996年から2001年にかけてタリバンが国を支配していたときに施行されていた、厳格なイスラム法を恐れている。

AFPは当時を「女性は仕事も勉強もできなかった」と振り返る。公共の場ではブルカの着用が義務づけられ、家を出るときには「マレント」と呼ばれる家族の男性の付き添いが必要だった。姦通を理由にした石打ちをはじめ、鞭打ちなどの処刑は街の広場や競技場で行われた。多くの著名人がSNS上で非難の声を上げ、憂慮すべき状況を訴えた。

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「我々は歴史の中でゆっくりと死んでいく」

人権擁護活動家で2014年にノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイは8月15日、国際社会に呼びかけた最初のひとりだった。「私たちは、タリバンがアフガニスタンを掌握するのを、大きな衝撃をもって見つめている。女性、マイノリティ、人権活動家たちのことを非常に心配している」と24歳のユスフザイはツイート。「国際、地域、そして市民社会は、即時停戦を求め、緊急の人道支援を行い、難民や市民を守らなければならない」と述べた。この声明は俳優のオーランド・ブルームを筆頭に、SNSで多くの人に支持され、シェアされた。

欧米諸国の遅すぎる無策も広く批判されている。2012年、アフガニスタン人監督アティーク・ラヒーミーの映画『悲しみを聞く石』で主演を務めたイラン人女優ゴルシフテ・ファラハニはインスタグラムで「このような事態を許したすべての人々を恥じるべきだ」と述べた。

 

 

「タリバンの夜がアフガンの女性たちを飲み込む。再び。数日ですべてを失ってしまったのだ。そして、世界からも見放されてしまう。もう一度。欧米による20年間の軍事介入は無駄になってしまった」と、欧州議会議員ラファエル・グリュックマンは嘆いた。この政治家の発言は、アフガニスタンの若い女性がカメラの前で将来の不安について次のように述べる動画に基づいている。「涙が止まらない。私たちは歴史の中でゆっくりと死んでいく」

 

 

この言葉は、女優のマリオン・コティヤールをはじめとする議員のコミュニティを動かした。マリオン・コティヤールは、いち早くこの内容を個人アカウントでリツイートし、「このままでいいのか?」とキャプションを添えた。

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アフガン女性が完全に不可視的な存在になることへの恐れ

そのほかのセレブたちも、自分たちのSNSで情報を発信している。モデルのティナ・クナキーは、国際報道が紹介したアフガン女性の証言を自分のアカウントでシェアした。

 

また、ジャーナリストのレア・サラメは、カブールの店の窓に貼られていた花嫁の笑顔の写真をペンキで塗りつぶしている男性の姿が映っている写真を投稿。「女性たちはすでに壁から消されている」とキャプションを添えたサラメは次のように続ける。「もうすぐタリバンは彼女たちに仕事を辞めさせるでしょう。家に戻り、もう外に出ないように」

さらにもう一つ、強烈なイメージが投稿された。イエメンの女性写真家ブシュラ・ヤーヤ・アルムタワクによる、人形を抱いた娘と母親の写真を並べたフォトモンタージュだ。写真を追うごとに母娘、そして人形の姿はベールによって覆い隠され、ついには何も見えなくなってしまう。このイメージに衝撃を受けた女優エヴァ・グリーンは、「国連軍を派遣し、タリバンを打倒してアフガンの人々にアフガニスタンを取り返すのに、何を躊躇することがあるの?」と投稿した。

募金の呼びかけ

さらに米国でも声が上がっている。ハディッド姉妹は、活動家の投稿や報道記事をストーリーズでシェア。「心が折れそうになる。吐き気がする。この状況を変えることができれば良いのだけれど。アフガニスタンのすべての人々のために祈ります」とスーパーモデルのベラ・ハディッドは述べている。

著名人の中には、アフガン女性を支援する団体への募金を呼びかける人もいる。歌手のデュア・リパと詩人のアマンダ・ゴーマンは、それぞれのアカウントで、人道支援団体「Women for International」と「Vital Voices Global Partnership」による寄付の呼びかけを紹介している。アマンダ・ゴーマンは、ツイッターにこう書き込んだ。「我々は難民を歓迎し、我々が掲げているような国にならなくてはならない。いまこそが、疲れた人、貧しい人、自由に呼吸することを切望する混乱した人々を迎え入れる時だ」

 

text : la rédaction de madame.lefigaro.fr avec AFP

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