美学を持つ人たちの選ぶ、美しい映画。 強く美しい女性の着姿を堪能できる昭和の名作。

Culture 2021.08.26

美意識を育んでくれる一方、選ぶ段階からセンスが問われる映画・本・音楽。多方面で活躍する憧れの彼女たちが独自の観点で選んだ、主人公の生き方や洗練の描写など、至極の美を体現する作品を紹介。

DJで着物スタイリストのマドモアゼル・ユリアさんが選ぶのは、市川崑監督の『ぼんち』。この作品にユリアさんが見いだす美しさとは?


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私が知らない、戦前の日本の美しい姿。

『ぼんち』

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「船場言葉に下駄の音、瓦屋根の町屋が並ぶ中にパッと開くピンクの和日傘……。『ぼんち』で描かれるのは、昭和初期の大阪船場の足袋問屋を舞台に繰り広げられる人間模様です。主人公は市川雷蔵さん演じる足袋問屋の5代目の“ ぼんち(若旦那)” なのだけれど、それ以上に、昭和初期の活気に満ちた船場に生きる女性たちの力強さと美しさが際立っていて。また着物やその着姿の美しさは、昭和映画ならではです。登場人物たちは“船場言葉”という、商人さんを中心に使われていた言葉を話すのですが、それも柔和で美しい……! 若尾文子さんを筆頭に京マチ子さんや越路吹雪さんと、女優陣も圧巻」

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『ぼんち』
●監督/市川崑
●1960年、日本映画 
●本編104分 
●DVD¥3,080 
●発売・販売:KADOKAWA

マドモアゼル・ユリアD J / 着物スタイリスト
MADEMOISELLE YULIA
DJ、シンガーとして活動を始め、デザイナーや着物スタイリスト、コラムニストと、多岐にわたって才能を発揮している。

※『フィガロジャポン』2021年7月号より抜粋

text: Misaki Yamashita

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