カーラ・ブルーニ、モデル業界の性暴力に声上げる。

Culture 2021.09.11

9月2日、3日のパリ警察の少年課での2人の女性の証言を受け、フランスの元大統領夫人であるカーラ・ブルーニがジェラルド・マリー事件について発言した。元モデルのカーラは、他にも被害者がいるなら声を上げるよう呼びかけた。

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歌手で元モデルのカーラ・ブルーニ=サルコジがジェラルド・マリー事件について語った。photo : Abaca

「もう十分です。私は、証言するためにパリにやって来た、カレ(・サットン)をはじめとするジェラルド・マリーの被害者たちの味方です。性的虐待と無縁の業界はありません」。これは、カーラ・ブルーニ=サルコジの言葉だ。

9月7日、ニューヨーク・タイムズ紙に掲載されたこの記事の目的は、ジェラルド・マリーにレイプされたと告発する元モデルのカレ・サットンを公に支援すること。さらに事件の捜査を再開するため、近年ジェラルド・マリーの被害に遭った女性たちに名乗り出るよう呼びかけることだ。

この呼びかけは、パリで15人の女性を対象に、エリート・モデル・マネジメントの元欧州責任者ジェラルド・マリーへの告発に関連した聴聞会が開かれるタイミングに合わせたもの。71歳のマリーは、当時未成年だったケースを含む15人の女性の証言を受けて、レイプと性的暴行の容疑で予審の対象になっている。しかし、そのほとんどが時効を迎えているため、立件の可能性は低いという。

ニューヨーク・タイムズ紙の意見記事の中で、カーラ・ブルーニ=サルコジは、モデルたち、特に、家族と離れて心細さに直面する若いモデルたちの労働規則について疑問を投げかけている。「フランスでも世界でも、仕事の場で女性たちを性的暴力から守るためにするべきことはたくさんあります」。彼女の呼びかけに、ヘレナ・クリステンセン、ポリーナ・ポリツコヴァ、カレン・エルソンの呼びかけが加わり、ジェラルド・マリーの告発者たちに法的なアドバイスを与えるために生まれた初の非営利なモデルの労働組合であるModel Allianceも賛同している。

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セクシュアル・プレデター

今度はファッション業界がMe Tooムーブメントに巻き込まれることになるのだろうか? Model Allianceの創設者でありエグゼクティブ・ディレクターのサラ・ジフは、ニューヨーク・タイムズ紙の取材に対し、「ジェラルド・マリーの事件は、モデル界で今も起こっていることを明らかにした」と述べた。「カレは30年前に10代でレイプされ、人身売買の犠牲となりました。ホットラインを通じて現役モデルから話を聞いているので、いまも業界で同様の虐待が行われていることはわかっています」と説明している。

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若いモデルを伴ったジェラルド・マリー。(2003年) photo : Getty Iamges

ジェラルド・マリーは、パリからミラノにかけて、ファッション界で最も影響力のあるモデルエージェントとして活躍した。1980年代末にエリートモデルルックというコンテストを広めたのも、ナオミ・キャンベルのキャリアをスタートさせたのも彼だ。マリーは現在イビサ島に住んでいると言われており、現在も(2012年から)パリのエージェンシー「ウィ・マネジメント」で働いている。

1990年代後半には、彼の性犯罪にまつわるうわさが広まっていた。1998年、ジャーナリストのリサ・ブリンクワースは、BBCのドキュメンタリー番組のため、モード界の裏事情を隠し撮りした。彼女はモデルを装い、同僚の協力を得てエリートに潜入。撮影中、彼女はミラノのディスコでジェラルド・マリーから性的暴行を受け、一夜を過ごすよう金を積まれた。このドキュメンタリーが放送された後の1999年、ティエリー・アルディソンが自身の番組「Tout le monde en parle」で、このことについてジェラルド・マリーに質問すると、彼は「非常に不愉快」「関係ない」と反論している。

現在54歳のリサ・ブリンクワースは、この男性のレイプと性的暴行を告発した15人の女性のうちの1人だ。ジェラルド・マリーの弁護士であるセリーヌ・ベーカーマンは、AFP通信の取材に対し、「このような虚偽かつ中傷的な申し立てを、断固として否定する」と述ベた。

text : Sabrina Pons (madame.lefigaro.fr)

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