日本発のアートが、時空を超えてコラボレート!

Culture 2020.03.23

時空を超えた好敵手たちの対比と展望。
『古典×現代2020ー時空を超える日本のアート』

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横尾忠則『戦場の昼食』1990、2019年、作家蔵(横尾忠則現代美術館寄託)。マネの名作『草上の昼食』から着想を得た本作は、インドでヒンドゥー教の神々を描く職業画家に横尾自身が構図を指示して描いてもらったもの。

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曾我蕭白『群仙図屏風』(左隻)江戸時代・18世紀、2曲1双、東京藝術大学蔵。展示期間は4/6まで。蕭白が実在の景色を描いた『真景図』や中国の故事を描いた屏風などが展示される。

東京オリンピックを前に、今年は日本固有の文化発信を意識したいくつもの展覧会が開催を控えている。なかでも特に贅沢な座組みなのが、時空を超えて日本のアートが対話する本展だ。江戸時代以前の絵画や仏像、陶芸や刀剣の名品を、現代を生きる8人の作家の作品と対になるよう組み合わせ、古い時代の美術と現代美術の対比を通して、日本美術史に脈々と流れる精神や美学を新しい視点で再評価する試みだ。

たとえば、奇想の画家・曾我蕭白(そがしょうはく)にインスパイアされた作品を過去にも手がけてきた横尾忠則は、本展で蕭白に着想を得た新作を発表。写真家・川内倫子が森羅万象に注ぐこまやかな眼差しは、伊藤若冲らの花鳥画の系譜に連なるものだ。彫刻家・棚田康司の木彫りの人物像は観る人を自然と謙虚な気持ちにさせ、円空仏が人々の祈りを喚起してきたことを思い出させるだろう。このほか葛飾北斎×しりあがり寿、刀剣×鴻池朋子、仙厓×菅木志雄、鎌倉時代の仏像×田根剛、尾形乾山×皆川明の全8組を展示。古典の総監修を、1889年に岡倉天心らが創刊した世界最古の月刊美術雑誌「國華」主幹の小林忠が務める。古典と現代のアーティストがどんな掛け合いを繰り広げるのか。また歴史を遡ることで、グローバルなアートシーンにおける今後の日本のアートの立ち位置を展望する機会にもなるはずだ。

※現在臨時休館中。詳細につきましては公式サイトよりご確認ください。

『古典×現代2020ー時空を超える日本のアート』
会期:開催中~6月1日(月)
会場:国立新美術館(東京・六本木)
tel:03-5777-8600(ハローダイヤル)
開)10時~18時(金、土は~20時)
休)火、5月7日 ※5月5日は開館
料)一般¥1,700 
https://kotengendai.exhibit.jp

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*『フィガロジャポン』2020年4月号より抜粋

※この記事に記載している価格は、標準税率10%の税込価格です。

réalisation : CHIE SUMIYOSHI

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