【フィガロジャポン35周年企画】 流行らなかった言葉を生み出したことも良い思い出......。パリと京都を巡ったフィガロジャポン2004年。

Culture 2025.09.05

パリ生まれ東京育ちのスタイル誌『フィガロジャポン』は、2025年3月で創刊35周年。パリやパリに生きる人々の哲学から旅、ファッション、食、映画、そしてアートまでフィガロジャポンが発信してきた35年の歴史を編集長の森田聖美が当時の思い出に浸りながら、思い入れたっぷりに振り返ります。2004年に発売したすべての号をプレイバック!

2004年2月5日号(04年1月20日発売)265
キッチンに対抗して? バスルーム特集。

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この特集に関しての記憶があまりないのだが、当時も「なんでバスルームなんだろう......?」と考えていたことはおぼろげに。ビューティ特集も巻頭特集に合わせて、バスルーム時間を快適に過ごすためのエトセトラ。そして、美容では新連載もスタート。けっこういま思い出しても好きな連載だったのだが「美容愛情対決 beaute de match」という。ふたりの美容賢者で同じお題にこたえる。パレットシャドウの初回は永富千晴氏のシャネルのレキャトル対福沢京子氏のルナソル。すごくアイテムの魅力がしっかりわかる連載だったと思う。

2004年2月20日号(04年2月5日発売)266
ブール、という言葉が全然注目されなくて......。

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なんじゃ、ブールって? とフィガロジャポン編集者でも思ってしまって、やっぱり流行らなかった、苦い記憶。でも見返すとおもしろいコンテンツ。さりげなくてプチブルジョワ風な肩肘はらないスタイルのことを「ブール」と呼んでいる。カーディガンにシャツ、膝丈のスカート。でもおしゃれ。これは、洗練された本気度の高いモードだと思う。カルチャーの読み物では、男たちの『スワン・レイク』以来、世界中が注目したマシュー・ボーンへのインタビュー。そして、junkによる女の視点連載では、韓国映画を訴求。当時は「K」ではなく「韓流」と呼んでいた時代。故・三宅菊子氏はキム・ギドク監督(彼も彼の地でコロナにより亡くなった)の作品を愛していた。イ・チャンドン監督の『オアシス』や、ヨンさま主演の宮廷映画、ポン・ジュノ監督の『殺人の追憶』にも触れていた。「春のメークはピンクラッシュ!」テーマでは、ピンク色の世界を表現するために贅沢なモデルページを作らせてもらった。こだわって時間をかけて作るとページが愛しくなる。ピンク色の甘やかな思い出。ヨン様に関する大事な思い出をひとつ。亡くなったパリ在住のカメラマン大島たかお氏がフィガロジャポン編集部を訪れた時、「ヨンさまヨンさまってみんな言ってて、最初ヨン・サマーっていう西洋人かと思ってた!」。素晴らしい作品を撮っていたけれど、とても愉快でおしゃべりで素敵な人物だった、大島氏は。

2004年3月5日号(04年2月20日発売)267
編集者は自分に似たモデルが好き?

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この表紙の撮影を担当したのは龍淵絵美氏だ。この時に思った。編集者は自分に似ているモデルが好きだ、と。龍淵氏も派手で華やかな顔立ちをしている。上野留美氏はキュートなファニーフェイスが好きだったし、塚本編集長はソリッドで大人な女性を好んでキャスティングした。こういうちょっとしたところに、モードエディターの好みが出ておもしろい。綴じ込み付録には、クリエイターの好きな古本屋が掲載されている。世界のさまざまな都市で。故カール・ラガーフェルドが生前気に入っていたパリの古本屋も掲載。

2004年3月20日号(04年3月5日発売)268
古都比べ、マップ尽くし。

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パリと京都って、古き佳き美学があるから対峙して見せたらおもしろい。そんな話から始まったのだと思う、この特集。お茶、宿、小物、市場など、比較しながら見せる企画は、編集者たちもおもしろがりながら作っていたと思う。筆者はそんな折、フィガロジャポンが大得意とするMAP作りをあまりにみんなが嫌うので、「だったら私ひとりでやってやろうか!」と意地になってすべて担当してみた。作り終えて、「やはりたった一人でやるのは無理があった......」と編集部で告白したら、拍手された。一人で成し遂げてしまったら、今後、自分の番になるかもしれない、とみんな怯えていたのだ。ただ、このマップはフロランス・デガのイラストなども入り、とても可愛らしく仕上がった。スペシャルな企画は、エディ・スリマンとミュージシャンのAirの対談ページ。こんな贅沢なプロジェクトはない!

2004年4月5日号(04年3月20日発売)268
BLSVの意味は何だ?

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Bはベーシック、Lはラグジュアリー、Sはセンシュアル・スイート、Vはヴァカンス。夏に向かいゆくシーズン、単なるモードではなく、スタイルキーワードでエディットしたファッション巻頭特集。欲しいものを探す贅沢なカタログだ。第2特集の「オーナーの夢いっぱいの店」は似たような企画を幾度か手掛けることになるスタートの記事。いい店であること、オーナーの独自のセンスが光っていることを条件に7都市から情報を集めた。2025年の現在でも、人はセンスのある行きつけを持っていたいことにかわりはない。

2004年4月20日号(04年4月5日発売)270
同じ会社の男性誌Penとの共同企画。

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「ロフト暮らしがお気に入り」は巻頭特集では女性たちのロフト暮らしを、綴じ込み付録では男性のロフト暮らしにフィーチャー。確かに色合いや置かれているもの、部屋の造りなども異なってきて比較するとおもしろい。当時は大流行。クリエイターのオフィスなどはロフトをあえて選ぶことも多かった。仕切りのない場所で、空間を自由自在に演出することが人気だった。そして、年下ボーイも人気。若手俳優の、「若さ」がすごく強調され、イノセンスを美しさと同化する現象が起き始めていた時期だ。個人的には映画『真珠の耳飾りの少女』(スカヨハが主役)が公開された頃ゆえ、フェルメールに着目したカルチャー記事が気になっていた。ほかの邦訳作がないので1発屋だったのかもしれないが、スーザン・ヴリーランド著『ヒヤシンスブルーの少女』という小説は、死ぬまでにまた読み返したい名作だと思う。

2004年5月5日号(04年4月20日発売)271
ロクサーヌの写真、最高!

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コレクションのバックステージで撮影しているのに、ロクサーヌ・ロウイットの撮影する写真はちゃんとモード撮影したようなクオリティがあった。画角も、光も、臨場感も、いきいきとして素敵。だからしばらくの期間、おしゃれスナップ特集の際のカバーは彼女に頼んでいた。私の記憶が間違っていなければ、おしゃれグランプリ、という言葉はフリーランスエディターの菊地愛氏がフィガロジャポンにいた頃の発信だったのではないか? 菊地氏は肩の力が抜けていて、時折お!と思う素晴らしいキャッチを編み出すファンタジスタだった。美容テーマは、スーパーナチュラルスキンのためのベースメイク。スティラというブランドが健在だった時代で、キュートコスメが全盛の時代。

2004年5月20日号(04年5月5日発売)272
表紙はやっぱりシャルロット・G。

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シャルロットとは長い付き合いだ。2025年6月号でもカバーに出演してもらっている。女性クリエイターたちへのインタビュー集なのだが、リッキー・リー・ジョーンズを担当することになり、心底うれしかった。学生時代からずっとリッキー・リーが好きで、「浪漫」は何度聴いたかわからない......。ただ、写真撮影の際に、イケメン写真家の中村和孝氏とふたりだけのセッションがよいと言われ、「案外、オンナなのね......」と思った。だからこそ素敵な歌詞が書けるのかも。レニー・ゼルウィガーはギフトで風呂敷を渡したらすごく喜んでハグしてくれた。ジェーン・バーキンと井上陽水氏の対談では、井上氏がとてもシャイで女性への敬意があったことが心に残った。シャーロット・ランプリングとリュディヴィーヌ・サニエはフランソワ・オゾンの作品での来日。リュディヴィーヌとは今年の横浜フランス映画祭で再会し、プロ意識高くファンたちへのサインに対応していた。レトロでフェミニンな夏スカートがほしい、という小特集があるが、まさに、そういうスカートがほしい。現在でも。見事なスタイリングは木暮美奈子氏だ。

2004年6月5日号(04年5月20日発売)273
究極のエキゾティックな旅先。

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ハードルが高いインドとメキシコ。色彩の在りかで、熱風があって。メキシコといえばサルマ・ハエック、ジョージア・オキーフの砂漠。麻薬などの悪い印象もあったりするが、ここで紹介しているゴージャスなリゾートは無縁。インドも美しいものとそうでないものがカオスのようにミックスされている場所という印象。どちらもじっくり訪れたことのない筆者からすると、この1冊をめくると、刺激的でイマジネーションが広がる誘惑の土地だ。旅支度のファッションページもハッピーでセクシーだった。こういう遊びのあるテーマが現在なかなかできないのがつらい。

2004年6月20日号(04年6月5日発売)274
ファッションのためだけにやってしまうと、、、、

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この巻頭特集は失敗かもしれない......。まず、ファッションのモチーフとしてピックアップされている映画が、あまりにも後世に残る強度がない。以前やった『バッファロー66』や『ヴァージン・スーサイズ』は現在でも名作としてその名が聞かれる。特集をやるためにセッティングしてしまった感が否めない。むしろ、中特集の和のインテリアで涼をとる記事や、綴じ込みのポーランド特集はおもしろかった。ワルシャワがこんなにヒップでおしゃれとは。東欧の魅力に目覚めてしまう。

2004年7月5日号(04年6月20日発売)275
アビエイターがトレンド、だったのかな。

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アビエイターファッションが流行っていた時期である記憶はないのだが、全面推しのカバー。そして担当者がバーゼルジュネーブの時計展示会に出張していた。新作をどのように(つまらなくない)カタログに仕上げていくか、は編集者にとって大きな課題。恋を描く作家として、ノーベル賞作家アニー・エルノーと小池真理子氏の対談が成立した。これもお宝記事だ。

2004年7月20日号(04年7月5日発売)276
まだ訪れていない南仏がたくさん!

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2010年代くらいからだろうか、南仏に出張で出かける機会がとても増えた。だが、コートダジュールがメインでちょっと山間に入るくらいで、今号で紹介されている南仏の町にはほとんど訪れていない。アヴィニョン、アルル、レボードゥプロヴァンス。特に行きたいのはイル・スール・ソルグ。大きな蚤の市があるらしく、ロマンティックなムードの場所。今号ふくめ、フィガロジャポンの記事をリエディットするVOYAGEというムックを年に1~2回作っていた時期があり、初回から担当していた。その際に、(後になってからだが)南仏ムックも作るようになり、現在でも毎月必ず何冊かは売れるくらい人気だ。カンヌ国際映画祭をじっくり紹介しようと10ページのボリュームで作成した。この記事作りでカンヌの仕組みなどがはっきりとわかった。今年すごい興行収入をたたき出している『国宝』は本選ではなく、サイドバー展開の監督週間での選出。そういった映画祭内のラインナップに関しても、いまではすらすらと言える。立田敦子氏とタッグを組んだ渾身の記事である。

2004年8月5日号(04年7月20日発売)277
レディときたら、着られる服が多い。

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レディ、という言葉でトレンドが語られているシーズンは、大人の女性にとって着られる服が多い。ニットのタイプも多いし、コンパクトジャケットや膝丈スカートなど、ひねりの効いたOLルックが多くて、ワードローブがおしゃれに変化しやすい買い物ができるはずだ。だからこその買い物リストが綴じ込み付録に。そして、おもちゃ特集がとても怖かった......(!)。

2004年8月20日号(04年8月5日発売)278
いいモデルはメイクテーマでもいい。

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ラグジュアリーブランドのキャンペーンでも引っ張りだこのモデル、サーシャ・ピヴォヴァロヴァ。長らくこの写真がフィガロジャポンの媒体資料で使われていたくらい。メイクアップ紹介のページでこれくらいやりがいのあった撮影はないかも?、筆者の場合だ。サーシャはとても大人しく、撮影の合間もスタジオの片隅でひっそりと読書しているタイプの女性だった。赤い口紅、つけたくなるでしょ? ラストコレクションとなったグッチ時代のトム・フォード。いつも彼は伝説の存在。どのメゾンにいっても、自分自身のブランドを立ち上げても話題の人。映画を後に作るがその出来も最高級で驚いた。

2004年9月5日号(04年8月20日発売)279
英国風ときたら、着られる服が多い。

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そうなのだ、ブリティッシュライク、というのは着やすい服が多い。だから2004年秋冬は、とても服が売れたのではないかと予想している。コーディネートで楽しむシーズンでもあり、英国風のファッションを知っていくうえで重要なキーワード「ブルームズベリー」について知るシーズンでもあった。作家ヴァージニア・ウルフも所属していたカルチャー集団がブルームズベリー派。2002年の作品でニコール・キッドマンにアカデミー賞をもたらした『めぐりあう時間たち』でヴァージニア・ウルフを演じた。綴じ込み付録はコッツウォルズ。ピーター・ラビットの里だがそこではウサギを食する。それは本当のサステイナブルな気も筆者はする。毛皮を使い、肉を食べ、その動物たちと共存し、物語まで出来上がり、映画化までされる。文化や慣習はこうして世に知られる、といういい例でもあるような。ロンドン・コーリングと名付けたカルチャーテーマは、現在はフリーランスエディターの倉石綾子氏がフィガロジャポン在籍時代に担当した記事。タイトルのつけ方などもセンスがよくて、本当に頼もしい編集者だ。

2004年9月20日号(04年9月5日発売)280
300ページ超えのNY。

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買うモノのジャンル別にニューヨークのトレンドを追いかけ、肩の力の抜けたおしゃれ案内人がヒップな場所を紹介。ニューヨークに関していつも迷うのは、パリと同じ方向にするか、それともニューヨークらしさをばっきり出すか? ニューヨークはパリよりもユーモラスでゴージャス。パリのシャビーシックなムードはもともと感度が異なる。それをパリ風に仕上げていくのかどうかにいつも迷うのである。今号は少しパリに寄せたかも? マップはすごい出来のよさで、みっちりとキレイに百足のようになっていた。グルメはオーガニックがだんだん美味しく進化していった時期ゆえ、そこからスタートしていた。ファッションでは、ダウンがおしゃれ着として成立してきたのもこの頃からだったのか、ドレス風に着るテーマを提案。

2004年10月5日号(04年9月20日発売)281
デジタルがない時代は細かいページが本当にいきいき!

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細かなキリヌキ写真でアイテムをたくさん見せる。そういう手法が雑誌のなかで緩急をもたらして、いきいきと表現されている時代だった。写真の並べ方も、レイアウトも可愛い。レディや英国風のシーズンだったから、ファーのアイテムもティペットなどが流行ったシーズン。この時に購入しておけば一生モノだったはず。現在はファーを纏うにもコンプライアンスを気に掛けるシーンもあるから。そして美容ページは見事な言い切りだ。「結論! 理想の肌は27歳」。もはや、2倍以上の年齢になってしまった筆者は悲しいが、27歳の頃から美容テーマを担当することにより、デイリーケアの重要性に気付いて手入れをしてきたおかげで少しはマシなのかもしれない......。美容ページは読み込める記事をしっかり読み、きちんとケア習慣を身に着けるべし!

2004年10月20日号(04年10月5日発売)282
ロマンティックと並んでスイートが合言葉。

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フィガロジャポンが最も大切にしている形容詞は「ロマンティック」だが、他にも「スイート」は大事なキーワードである。そしてこちらの甘いキュートな表紙の写真は、戎康友氏によるもの。意外である! インテリアも可愛く、が今回のポリシー。色彩にあふれ、ユーモアたっぷりの雑貨が多かった。ケータリングチームの取材もこの時代らしい。イートリップや南風食堂など、一世風靡するグルメユニットに取材している。そして「快適な睡眠レシピ、教えます」の美容テーマが懐かしい。睡眠問題は2025年の現在も世間でさまざま取材されているテーマだが、この頃から基本は変わらない。良き睡眠をとるには、睡眠のメカニズムを知り、無理に合わせずにきちんと生活することが大事。それが崩れるエンタメが世界に増えてきたから睡眠に対しての記事が多くなる、大いなる矛盾......。

2004年10月5日号(04年9月20日発売)281
あ、ノッポン!

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TOKYO最新ショップナビ、というタイトルで最初の写真がなんと、梅佳代氏が撮影した東京タワーのマスコット、ノッポン。確か休日出勤した日に、この写真の納品を梅氏自身が編集部に持ってきてくれ、担当者に渡していた記憶。今号の東京案内は、異邦人が惹かれる東京を意識し、訪日した人々にお気に入りを尋ねて紹介していた。そしてキリヌキ写真が割と小さくコンパクトなのは、塚本香編集長の好みだった気がする(今度会った時に改めて訊こうっと)。ファッションテーマ「一点フォークロア主義」の山本マナ氏のスタイリングがとても素敵。随所にピンク色を効かせて、大人のフォークロリックスタイルだ。吉田都氏が登場した「日本人バレリーナの美しい挑戦」というカルチャーインタビューもおもしろかった。オランダ、スペイン、オーストリアなど、ヨーロッパ各地に超絶技巧で素晴らしい日本人ダンサーがいる。あの金森穣氏がノイズムを立ち上げたばかりでインタビューに答えてくれていた。

2004年11月20日号(04年11月5日発売)284
フランス版マダムフィガロより。

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いまはそのルールはマストではなくなったのだが、月2回刊当時は年4回、月刊に戻ってからも年2回、本国版マダムフィガロの写真をフィガロジャポンの表紙に必ず起用しなければならなかった。今号もそう。でもカルチャー特集にぴったりでしょ? レイチェル・ヤマガタやジェシカ・オグデンに大好きなロマンティックカルチャーコンテンツを訊けたのはとても楽しかった。当時注目するアーティストの作品をそのまま誌面に掲載したり、とても贅沢に巻頭特集を作り、これを見ると04年秋冬のカルチャーブームがわかるような構成にした。自死した女性詩人シルヴィア・プラスの人生を描いた最新映画で、グウィネス・パルトロウが演じたシルヴィアの夫役は後のジェームズ・ボンドを演じるダニエル・クレイグ。情けない夫だったがとても好きだった。

2004年12月5日号(04年11月20日発売)285
美人さんのダリア・ウェーボイ。

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モデル、ダリア・ウェーボイの端正な大人女子の魅力は、当時、世界中で評価されていたと思う。キュート顔のモデルが人気になることもあれば、ゴージャスを極めたモデルが話題になることも。でもダリアは両方いける。そして美しい。今号のおしゃれスナップは、クイーンを探せ。ジャーナリストにもフォーカスしているが、やはりモデルたちを重視した内容だった。そして、各モードページでカメラマン三枝崎貴士氏のレタッチを駆使してファンタジー世界を創る写真が全盛期。とてもユニークな仕上がりで魅せられた。この時期はベストコスメ特集が多くなる季節だが、今回は「ラブ」コスメ。評価できることと、好きは違う。それを高らかに美容賢者たちが歌った。

2004年12月20日号(04年12月5日発売)286
まだまだ諸外国に憧れ。

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NY、パリ、ロンドン、東京、LA同時中継、ときた(なぜこの順番なのかは謎だ)。表紙はジェイド・ジャガー。リラクシングな様子がとても好感度が高かった。流行が何か、おしゃれ賢者は何を求めているのか、当時女性誌はずっと追いかけていたはずだ。あ、そういえばジェイドは東京を訪れるのは数日だったのに、持ってきた靴は15足だそう。そして、2004年12月4日、シャネルの銀座ビルがオープンした。銀座店の限定品の豪華なこと! 建物内にはたくさんのアートが内包された。そんなブランドブティックは珍しく、先駆けだったと思う。上陸したばかりのナチュラルコスメたちにフォーカスした美容テーマも当時のトレンドだった。演練されていて心地いい、そんなブランドは創設者たちもとてもおしゃれな人たちだった。

2005年1月5・20日号(04年12月20日発売)287
表紙の粒子が粗すぎる。

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コンテンツは練れていてとてもよくできているのに、なんだか表紙の粒子が粗すぎて......。ポルトガルのリスボンは、音楽や映画でもよく描かれ、独特の重さがある町だと思う。坂道、路面電車、ファド、タラ料理。ポエティックでシネマティックな土地への敬愛がある内容になっている。田舎町パートではアズレージョの美しさに息を吞む。フィガロジャポンでは追悼原稿はなかなかないが、今号は旅立ったフランス人女性作家フランソワーズ・サガンへの想いを村上香住子氏が語った。猫と一緒いいる写真のサガンはあまりにも可愛い。

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