【フィガロジャポン35周年企画】 月刊に戻った2010年! 付録あり、占い、フレンチシック、可愛いもの......フィガロジャポンが大躍進。

Culture 2026.02.16

パリ生まれ東京育ちのスタイル誌『フィガロジャポン』は、2025年3月で創刊35周年。パリやパリに生きる人々の哲学から旅、ファッション、食、映画、そしてアートまでフィガロジャポンが発信してきた35年の歴史を編集長の森田聖美が当時の思い出に浸りながら、思い入れたっぷりに振り返ります。2010年に発売したすべての号をプレイバック!

2010年2月5日号(10年1月20日発売)403
トレンドのひとつが「ブロガー」

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トレンドの予測でおもしろかったのは、Taviちゃん登場でブロガーという言葉が世に広まる、というトピック。インフルエンサーという言葉もない時代だった。Taviは当時13歳! その影響力でファッションショーのフロントロウに座っていたのだ。カバーはコム デ ギャルソンのパール。ショートケーキが進化する、という朗報まで予想されていた。今号から李家幽竹先生の開運の方程式という連載もスタート!

 

2010年2月20日号(10年2月5日発売)404
おしゃれ有識者たちの春の買い物計画聞き込み。

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各都市のおしゃれな人々に聞き込みをして、春のファッションショッピング計画を細かく紹介していた。参考書とする写真集などまで挙げてもらっているのがウチらしい。フィガロジャポン表紙にいちばん多く登場したのは誰?と問われれば、シャルロット・ゲンズブールで間違いない。シャルロットのロングインタビューと、ロンシャンでデザインをしたケイト・モスのインタビューが掲載されている号ゆえ、モード派にはマストハブの号だったかも。16ページのボリュームで、パリのオルセー美術館にフォーカスしていたのもユニーク。

2010年3月5日号(10年2月20日発売)405
付録作戦に乗り込みました。

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今号には付録を付けました! ビニール加工したラデュレのトートバッグ。マカロンカラーで作られていて、付録ルーキーな媒体の発信だったがかなり話題になった。リアルスタイル別冊ならぬ、モデルの切り抜きカットを連投して、コーディネートの幅を見せることにトライしたファッション巻頭特集。美容テーマはヘアアレンジ。毎シーズンできるものではなく、ヘアアクセサリーが流行ったり、スーパーロングが幅を利かせているシーズンしかできないテーマでもある。また京都ではなく奈良にフォーカスしたのも珍しいトライアルだった。遷都1300年の節目に......。

 

2010年3月20日号(10年3月5日発売)406
後悔は、表紙に写っているテーブルクロスのシワを修正しなかったこと。

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お家拝見のテーマでも少しずつ流行が変化していって、この頃新鮮に見えたのはインダストリアルな空間だった。たとえば大きなアルファベット文字のオブジェを飾ったり、ちょっとファクトリー風にグレイや黒を効かせて、クール&シックに造ること。カラフルであるよりもそのほうが高級感も演出できた。表紙のテーブルクロスのシワを直すべきだったといまでも後悔している。倉田真由美ビューティブックは継続中だったが、今号の美白フォーカスの記事がいちばん好きだった。構成、レイアウト、モデルのセレクトもテーマとメッセージがぴたりと合っていたと思う。

2010年4月5・20日号(10年3月20日発売)407
コレが最後の月2回刊号!

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パリのガイドを3月発売号でやることがなんとなく定番化している時期だが、この号はとても動的なガイド。どう歩くか、街を巡るか、バスに乗るならこの番線がおしゃれだ、名物カフェのオーナーに会いに行こうなど、とにかく元気。そんなパリ詣でアクティブ派には、滞在型ではないプチホテルを本拠地にしてほしい。全マップ付録も付いており、付録の表紙には在パリ写真家、吉田大輔氏の愛犬故あずきが写っている。黒いプードルのあずきがフィガロのマスコット的存在でもあった。合計380ページの大ボリュームで、2回刊の幕を閉じた。

2010年6月号(10年4月20日発売)408
月刊に戻った最初の号は食とデコの2本立て。

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ファッションもフランスのお家芸ではあるが、やはり食の強さはパーフェクト。ビストロというワードは当時も憧れだったし、食卓をパリで仕入れたうつわで演出することもおしゃれ人のなせるワザであった。加えて、表紙には我が子と写るルー・ドワイヨン。その横には、ルーの友人でパリのクラブブームを牽引していたクリエイティブディレクター、アンドレがいる。このレストラン、ラ・フィデリテをプロデュースしたのがアンドレだったのだ。懐かしいのは、ラ・テュイル・ア・ルーというパリの民芸品店の取材ページ。某モード誌HBの編集長になっているMM氏が隣の席で、うつわの切り抜き写真のカラーコピーをA3用紙に貼り付け、「M田さん、こんなに可愛くできた!」とうれしそうだったこと。うん、確かに可愛かったね。綴じ込み特集は東京フレンチレストラン。美容は「スーパー美肌講座」。後にフィガロビューティスト→ボーテスターになってくれた貴子ドクターもここで登場した。

 

2010年7月号(10年5月20日発売)409
さてフィガロジャポンの運命は?

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占いを巻頭特集においてヒットした号である。李家幽竹氏、鏡リュウジ氏、石井ゆかり氏、3人のエキスパートが執筆してくれた豪華な仕立て。また、マリオン・コティヤール、メラニー・ロラン、イザベル・ユペールの「現在」を切り取るフレンチシネマの有名女優も登場。パリジェンヌのリアルな声を集めたページでは、いま本国フランスのマダムフィガロのBusiness with Attitudeプロジェクトを率いるモルガン・ミエルがフリーのジャーナリストとして取材されていた。作家・山崎ナオコーラ氏の小説と写真家・石川直樹氏の作品で展開するという新連載もスタート。「160cm57kgから脱出する短期決戦、これが私の痩せる道。」というすさまじい美容企画も......。編集長が変わると、こういう新機軸があるんだ、と感じた。

2010年8月号(10年6月19日発売)410
女性誌は幕の内弁当。

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故・西村緑編集長はたくさんの名言を残した人物であった。「女性誌は幕の内弁当」もそうだ。彼女が婦人画報社で編集者として鍛えられた時代に、先輩から言われた言葉かもしれないが、最初に筆者が聞いた時は「なるほど」と思った。大特集から小特集まで、とにかくたくさんのテーマが詰め込まれている。読者の誰かの心には何かの引っかかりがあるように丁寧に細工していく。そんなハウツーを緑氏は持っていた。今号も軸は夏ヴァカンスで貫かれているが、ハワイ、夏読書、ヴァカンス支度、夏小物と、オンパレード。なかでも現在Pen編集部副編集長のMIが作ったヴァカンスのキレイ支度の美容特集はとても軽快で上手に構成されていた。

 

2010年9月号(10年7月20日発売)411
この表紙のプラダは夢にも出てきた。

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表紙は菊地愛氏が担当したプラダのストーリー。モデルの表情やふたりの配置が好きで、ずっと心に残っている。「ベーシック」アイテムにこだわりを持っていたのも西村編集長の特徴だった気がする。すごく仕掛けのある服もトレンドとして追いかけたけれどももちろん、しかしながら、ベーシックをおしゃれに昇華することをモードストーリーでも展開したいと考えていたように思う。別冊付録は2冊。TOKYO全アップ&靴バッグ297。みんなモウレツに働いていた......。

 

2010年10月号(10年8月20日発売)412
ファッション巻頭号だけど、完売!

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フィガロジャポンで扱うファッションアイテムは高額商品が多いので、カタログとして役立つ可能性が低いぶん、モード特集号が大きく部数が出ることは少なかった。しかしながら今号は完売! 西村編集長は大喜びで涙ぐむくらい、でした。パリっぽいおしゃれ、日本のパワースポット取材、ヘアスタイル図鑑別冊など、読みたいキラーコンテンツを盛った。おまけに当時注目されていたビオの食材やお取り寄せ特集まで入っていたのだから!

2010年11月号(10年9月18日発売)413
表紙でパリジャンとニューヨーカーの差がわかる。

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ニューヨークでも全マップ。そして、最新ガイド。パリ以外ではロンドン、ミラノ、ニューヨークがもっともフィーチャーした街ではあったが、今号のデスク担当を筆者はしていて、まあ、大変ではありました。地下鉄が同じ駅名で線が違うと道1本離れていたり。表紙の写真を見てもわかるように、ブラックベリーやiPhoneを持つことが当然になってきた時代。エースホテルがマンハッタンに登場したばかりの頃だった。通行人の手には紙カップのコーヒー。パリでは、やっぱりカフェで人がおしゃべりに興じる絵が多いので、差を感じられる。今号では、ポール・スミスとのコラボで開運ポーチを付録につけ、それも売れた理由でもある。

2010年12月号(10年10月20日発売)414
インテリア特集は人気継続。

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年23の矢を放っていたのに、12本になってしまった、それが月刊化である。アールドゥヴィーヴルが哲学のフィガロジャポンは全号がファッション巻頭特集にはならない。そんななか、インテリア特集の人気は新編集長になっても継続だった。北欧スタイルが絶対だった時代だ。フランス映画が語る愛のカタチ、という企画では、フィガロジャポンにおいて和久本みさ子氏の遺稿となったアルノー・デプレシャンのインタビューが載っている。とても大切なページだ。サンフランシスコと西海岸企画では、後に注目されるクリエイターを取材。アメリカのリラクシングなカルチャーのムードが高橋ヨーコ氏の写真で紹介されている。美容テーマは「30代でしておきたい美容事」。こういう具体を重視したタイトルこそ、ビューティへの注目を増やすのだと思う。

2011年1月号(10年11月20日発売)415
可愛くあるためには「取材しないテーマ」も必要。

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可愛くあることが絶対なために、今回のロンドン特集はレストラン取材を意図的にやめた。当時のロンドンのグルメはヒップなシェフが登場していて、話題性のあるアドレスは撮影しても「可愛く」見えない、カッコよすぎて。ロブ・ライアンの切り絵をアクセントに用い、ラブリーロンドンを展開した。現在、フィガロデジタルの編集長AIと筆者のふたりだけで作った巻頭特集だ。おしゃれスナップではアレクサ・チャン大ブーム時代。フィービー・ファイロのセリーヌを纏った人々がわんさかコレクション会場にいた。ベストコスメもたいてい11月発売号で掲載するのがフィガロジャポンのルーティンだが、今号のシンプルなまとめ方、綴じ込み扉の印象的な写真(マスカラを大胆に塗るモデルカット)などとてもわかりやすい。

2011年2月号(10年12月20日発売)416
年末は、カルチャーまみれ。

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読みたい115冊、見たい101本、と来た! 西村編集長は数字を出すことが好きだった。割と大きい数字になるべく、知的なカタログを目指していたように思う。冒頭の本を紹介するための撮りおろし企画が横波修氏によるもので、旅をテーマにしていて愛らしい。綴じ込み企画が「冬の京都、乙女旅」。この特集の少し前に、フィガロジャポン編集部に在籍していた原田奈都子氏(現・小長谷)が京都の和食店の御主人と恋に落ち、フィガロジャポンを去ることになった。村上香住子氏とそのお店に訪れたことがきっかけだった。現在は京都で、フィガロジャポンやペンの仕事などを手掛けてくれている。いい男特集でふたりを取材、向井理氏と三浦春馬氏。西村編集長は向井氏のファン。筆者は三浦氏の大ファンである。

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