【フィガロジャポン35周年企画】 流行予報というパワーワードで勝負! フィガロジャポン2012年。
Culture 2026.02.20
パリ生まれ東京育ちのスタイル誌『フィガロジャポン』は、2025年3月で創刊35周年。パリやパリに生きる人々の哲学から旅、ファッション、食、映画、そしてアートまでフィガロジャポンが発信してきた35年の歴史を編集長の森田聖美が当時の思い出に浸りながら、思い入れたっぷりに振り返ります。2012年に発売したすべての号をプレイバック!
2012年3月号(12年1月20日発売)429
来た来た! 年末進行で年始号の流行予「報」

予測ではない。予報にしよう。と西村編集長のもとでなってから、このスパルタ特集は年末の定番としばらくなった。印刷所もお休みするので進行がとても大変で、製作部門に相談したら、「そんなことできるわけない!」と怒鳴られたり、はたまた「年末にそんなテーマをやらなきゃいいじゃないですか」と言われたり。ちょうどコレクションフォーカスを行うのに適した時期でもあり、今年のトレンドはなんだろうと考えたりする時期でもある。モードでは付襟ブーム。コスメではラデュレがスタート。インテリアはネオンカラーが流行るなど、けっこう進化変化の2012年だ。岡尾美代子氏にアメリカ西海岸に旅に出てもらって綴じ込みガイドを作ったり、案外贅沢。そして、西村編集長になってトライアルしていたのが、「スティルフィガロ」というモードストーリー。毎号8ページボリュームでテーマごとに演出を考えていた。ファッション編集者はこの担当をすごくやりたがっていた。
2012年4月号(12年2月20日発売)430
このカバーが好き、というメンバーが現在編集部を牽引。

このカバーを好きと断言するのは副編集長ST。2026年現在のフィガロジャポンのモードチームを引っ張っている。スイートなものが好きで、「甘く、可愛く、パリっぽく。」というタイトルもよかった。なんだかキキ&ララも飛んでいる。別冊付録がふたつもついていて、甘い系が流行る時のヘアスタイルブックはアレンジなども入って楽しい。筆者は今号でスリランカ取材に飛んだ。再訪したい旅先はたくさんあるが、スリランカも同じ。ジュエリーの取材もしたが、山側と海側ではカルチャーが異なり、デザインの違いがジュエリーにも表現されていると聞いて、宝石採掘の島であるが、こういうところにユニークネスがあるのかと驚いた。
2012年5月号(12年3月20日発売)431
サンジェルマン大通りの老舗カフェが表紙に。

ここまで王道の場所を表紙にしたのはフィガロジャポンの歴史で初。カフェ・ドゥ・フロールが表紙である。新しいパリ古いパリ、そういう特集テーマになったのは、毎年「最新」と言われ最新にフォーカスするが読者は古き良きパリも愛している。そういう場所の知られざるエピソードも紹介したい気持ちから。ウディ・アレンの新作で迷い込んだ場所や、アール・ヌーヴォーやアール・デコの名建築案内、フロールとドゥ・マゴの2トップカフェ物語など、歴史ある場所にはストーリーが豊富だ。カーヴ・ア・ヴァンというワインを楽しむグルメスポットができ始めている時期でもあった。またラデュレとハローキティのコラボを徹底紹介。着ぐるみキティの中にパリ支局長が入っているのではないか?とまことしやかに言われ、そんなはずないだろう!
2012年6月号(12年4月20日発売)432
「好き」を大事にするブーム。

好きなものをそのまま置けばいい、ルールなんてない。以前、作原文子氏とトークイベントをやった時に彼女から聞いた言葉だが、センスがよい人であれば本当にそれでよいと思う。アウトドアブームだった時代、室内でテントを広げちゃっている写真が表紙に。アウトドアの機能的な道具は、うまく使えば家の中でも活躍する。木材にDIYでペンキを塗るようなラフでワイルドなあしらいも人気だった。綴じ込み特集では南仏取材。今回はコートダジュール。柑橘で有名なマントンの風景は後のVOYAGEのカバーにも採用された。美容特集のマイナス5㎝ウエスト特集では筆者も挑み、どうにか着地......。今号ではウェディング別冊も入っているが、西村編集長はウエディングにはとてもこだわりがあって、わかりやすくハピネスを表現することを鉄則とした。うん。絶対にそうでなくてはいけないテーマだ、たとえ編集者が変化球を投げようとしても。阪急梅田本店とのコラボ美容ブックは今回が過去いちお気に入りである。さわやかさと強さの両方が備わっている。
2012年7月号(12年5月19日発売)433
フランス好きの夏がここにある。

パリジェンヌ特集ではソニア・シエフが4人のパリジェンヌのポートレートを撮影していた。レア・セドゥ、ビノシュなどのフランス人俳優たちも登場し、表紙はヴァネッサ・パラディ。まさにフランス好きのための1冊だ。ベストコスメをジャンル別に、が鉄板となりつつあり、今号はオーガニックコスメでベストを選ぶ内容。ヴェレダのスキンフードがナンバーワンとは真っ当な結論。先号のコートダジュールに続き、プロヴァンスをヴァカンス先として紹介。カルパントラ、ヴィルヌーヴ=レザヴィニョン、ポルクロール、ムスティエ=サント=マリーの4町は、一度も訪れたことがなく、行ってみたい。
2012年8月号(12年6月20日発売)434
北欧の光は美しい。

フィンランド、スウェーデン、デンマーク。グッドデザインを探す旅、と方向性がばしっと決まっているせいか、とても構成が見やすい号となった。そして、大きく紹介する写真が心惹かれるものが多くて、北欧の人々の暮らし、デザイン、色彩、フォルムへのこだわりがよくわかるようなセレクトだった。また、海外ロケとシンクロするように、東京で購入できる北欧グッドデザインという特集も。野外でアートを楽しむイベントがだんだんと増えてきた頃ゆえ、屋外アート特集もゴーした。2号前からスタートしていた「歌舞伎のいい男」連載、第3回目は中村獅童氏。現在ペンの副編集長MIが担当していた。
2012年9月号(12年7月20日発売)435
イラストばやり、だったのかな。

7月発売号から秋冬ファッションはたいていスタートする。この年代はまだ、どの媒体が先に新しいもの出すか、を強く意識していたので今号から秋冬スタート! 2026年の現在はもう1号遅くしているが。表紙でも、別冊付録のTOKYOランチマップでもイラストをカバーに用いている。秋メイクアップの紹介も作り細かく、カードゲーム風にしたりと細工を効かせたページ演出がトレンドだったのかもしれない。この「ノーブルフェイスをつくる、6の鉄則」というメイクアップページはとてもいい出来。メイクアップも西洋人の顔に施していても日本人が取り入れやすい内容だし、数多いアイテムの見せ方も上手。
2012年10月号(12年8月20日発売)436
ワニ顔モデルで「いい女」を謳う。

以前にも書いたが、整い過ぎた顔立ちのモデルはおしゃれに見えない。今号表紙のワニ顔系でもポージングや雰囲気のある子のほうが、独特のムードが出てる。新しい女になるために必要だったものに、センタープレス&クロップト丈パンツや、ミニスカート、進化系クラシックのハーフ丈コートなどが並び、フォルムのコンサバ感が。ファッションストーリーのメイクアップが軒並みアイメイクの濃さが目立っていた。別冊付録のイタリアングルメ紹介では、近年日本のピッツァレベルが急上昇と紹介。ヘアスタイルブックではアクセサリーばやりを主張しながらも、東京のヘアサロン10店に協力していただき、ショートとボブのカットの技を魅せた。
2012年11月号(12年9月20日発売)437
このNY特集が好きだったかも。

考えてみると大変な旅特集の担当デスクを長年やっていて、「この号は印象が強い」と心に残っているものがある。今号のニューヨーク特集は特に好きだった。ニューヨーカーが推薦するニューヨークは、時にパリを超えておもしろい気がする。変化に富んでいるし、カルチャーはパリ同様あるし。推薦人のなかには、話題のレストランターや、アレキサンダー・ワンもいた。ポール・オースターにインタビューしたり、ライアン・マッギンレーの写真も掲載した。そして矢吹杏子氏(当時は在NY)の描くファッショニスタキャッツもハイブランドのブティックを案内してくれた。キャッツたちは後にmadameFIGARO.jpにて占いコーナーにも登場する人気猫。カルチャー記事に、ラフ・シモンズになったばかりのディオールのルポやメトロポリタン歌劇場の紹介も。スタイリスト提案のコーディネートブック計109ルック、というのも定番化していってゴージャスな出来栄えだった。
2012年12月号(12年10月20日発売)438
インテリア特集でワルツ。

書いていて思う、月刊になって年間12冊なのにインテリア特集多いなあ! 故西村編集長はファッションのエキスパートだったので意外に感じたが、思い出せば確かにインテリア関連に興味津々だったかもしれない。パートナーがデザイナーだったせいかもしれない。素敵インテリアの実例写真を掲載し、その家になろう!な家具や小物を紹介する、ファッション的技法の構成。今号の「大人のトラッド最新提案」は青木良文氏と入社したばかりの多田綾子氏が作ったファッションテーマだが、いまでもそうとう個人的お気に入りの仕立てだ。また、保存倍ガイド大人女子の和食店38は、後にうかがった時に「フィガロさんで紹介されたことがあります」とよく声をかけていただくことが多かった。
2013年1月号(12年11月20日発売)439
あ、出た、BEST!

ベストなものを!という時代はもう過ぎ去ってしまい、2020年代、思い思いに自分らしく生きるいま、なんだか「当時は何がベストだったのかな」と気になる。でも、けっこう着やすくリアリティのあるルックが並んだ。表紙はシャネル。筆者はこのシーズンのシャネルがとても好きだった。パステルカラーなのにクールで、抑えがきいていて、しかも夢がある。ベストコスメはわかりやすくシュウウエムラのスキンケア効果を盛り込んだアルティム8のクレンジングオイル。こりゃベストですね。ベストレストランはフレンチ部門でラス、和食部門で銀座おかもと。風水では13年に行くべきベストが岩手県の中尊寺。筆者は詣でました。
2013年2月号(12年12月19日発売)440
BEST続きつつの、カルチャー特集。

カンヌ映画祭でパルムドールとなった『アデル、ブルーは熱い色』に出演したレア・セドゥが青い髪のまま表紙に登場。「孤独は自身と向き合う時間。人間にとって必要なこと」という言葉を残してくれた。若いのに感性が成熟した人物だとインタビューを読むたび思った。他にも素晴らしい言葉があったので紹介する。『愛、アムール』のイザベル・ユペール「人は冷徹さを介してこそ、感動に到達できる」。今号では綾瀬はるか氏にきもので登場いただいた。当時から筆者は大ファンで、後に国民的俳優として大きく大きく羽ばたくが、24年にはパリでモード撮影が叶い、動画でも登場いただけた。新春を目指し、西村編集長の幕の内目論見はまだ続き、笠間・波佐見・輪島へのうつわの旅や、オーガニックベストコスメ、美味しさ自慢のお取り寄せ特集なども同載。
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