ロベール・ブレッソン幻の作品「白夜」が限定公開決定!
Culture 2012.10.24
フランスの巨匠ロベール・ブレッソン監督が1971年に発表、ドフトエフスキーの同名小説を原作とした映画「白夜(1971)」の35ミリニュープリント版が、10月27日から渋谷・ユーロスペースで3週間限定公開される。
これまでブレッソンは長編13本を残しているが、日本では78年の劇場公開以来、映画祭など特別な機会にしか上映されず、ファンの間では幻の一作とも呼ばれていた。原作は19世紀のペテルブルグが舞台だが、本作では設定をパリに移し、孤独で空想家の青年が、ポンヌフで偶然出会った美しい女性とのつかの間の恋を描く。重厚な作品で知られるドフトエフスキーだが、同作はロマンチックな仕上がりとなっており、57年にルキノ・ビスコンティによっても映画化されている。
美しいマルト、青年ジャックを演じるイザベル・ベンガルテンとギョーム・デ・フォレは、当時ともに演技経験がなく本作が映画初出演。70年代初めの独特の空気感の中、美しいパリの風景とふたりのみずみずしい演技に引き込まれ、現代でも色あせない当時のファッションや音楽、色づかいにも目を見張る。過剰な演出そぎ落とした代表的なブレッソンの作品とはひと味違う、詩情豊かな珠玉の一作だ。
「白夜(1971)」は10月27日からユーロスペースほか全国順次公開。
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