パリ人が好む、
日本的インテリアって?

Culture 2009.07.01

icon_paris.jpg 大村真理子の今週のPARIS

写真だけ見ていると、まるで日本のよう。

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ギャルリー・デュ・パンテオン・ブディックの池に囲まれた茶室。

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同日本庭園内には竹、石灯籠などと違和感なく、OMOTEのランプが。

16区のギメ東洋美術館はその名が表すようにインドネシア、中国、ネパールなどアジアの美術品を所蔵している。その別館ともいえる建物が美術館と同じ通りの少し離れた場所にある。ここは「ギャルリー・デュ・パンテオン・ブディック(仏教諸尊ギャラリー)」と命名されていて、ギメ美術館創立者エミール・ギメが19世紀後半に日本の旅から持ち帰った寺院や個人の祭壇などに安置されていた仏像類を2フロアに展示している。建物の裏手には驚くことに、茶室を設けた日本庭園が!まるで京都にでもいるような、その静謐そのものの美しさに驚かされる。

パリの人々の日本への興味は募るばかり。そんな折り、このギャルリー・デュ・パンテオン・ブディックにて「OMOTE」というブランドの新生お披露目が催された。かつて、フランスに布団の存在を知らしめたブランドとして有名なTATAMI。ブティックの看板に大きく"畳"と描かれたこの一文字の漢字は、フランス人にはアピールするものがあるとはいえ、正直なところ日本人としてなんとなく気恥ずかしさを感じたものだ。

そのTATAMIが次なるステップとして、フランスのインテリアに似合う洗練された日本的な品を提案するブランドとして再生。それが「OMOTE」である。日本のすぐれた品だけでなく、フランスで新たにデザインしている品もある。商品のセレクションとデザインを担当するADに選ばれたのはデザイナーのTSUTSU。パリに日本という国の存在をしっかりと印象づけた日本人といったら、誰もが高田賢三を思い浮かべる。その賢三とともに長く仕事をしたTSUTSUに「OMOTE」が目をつけるとは、なかなか気が利いている。

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浴衣と布団を展示した会場。壁にTSUTSUのポートレート。

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すっきりと和的だが、実はドイツ製というキャンドルカバー。

このお披露目展示会では茶室を見下ろす超フランス的でクラシックな一室に、TSUTSUが格子戸をイメージしてデザインした家具とサクラの花をあしらった寝具を展示。何十年か前ならキッチュに見えたかもしれない内装が、海外を多く旅し、世界的視野を持つブルジョワのフランス人の寝室ってこんな感じかも、という説得力をもっていた。茶室の入口に配置されたOMOTEのランプも、違和感なし。

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日本とパリのハーモニーをみせる寝室の展示。

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ゲストのためのティーコーナーでサーブされたのは、パリで日本を代表するサダハル・アオキのプチパティスリー。

食の世界では中華、ベトナム、タイはアジア食、という感じにまとめられている。が、和食は和食屋のものとしてすでに独立した存在。インテリアの世界でも、ようやく!というわけである。フランス国内に20軒近くあるブティックTATAMI(畳)は、7月中旬よりモンパルナス店を皮切りに、看板を「OMOTE」に変えてゆくそうだ。


OMOTE Montparnasse オモテ
147,boulevard de Montparnasse
75006 PARIS
※7月中旬にリニューアルオープン予定

Galerie du Panthéon bouddhique ギャルリー・デュ・パンテオン・ブディック
19,avenue d'Iéna
75116 PARIS
tel 01 56 52 53 00
開)10~18時
休)火曜
www.guimet.fr
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