あの「星の王子さま」が映画化。初めて描かれる、"その後"の物語とは......?
Culture 2014.12.16
世界中で愛され続ける不朽の名作、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの「星の王子さま」。みなさんも一度は読んだことがあるのでは!? 私、編集TIにとっても思い入れのある作品のひとつですが、そんな「星の王子さま」が2015年12月、アニメーション映画化されるというニュースが飛び込んできました。タイトルは『リトルプリンス 星の王子さまと私』。
物語は、進学校への入学を目指して日々勉強に追われる9歳の女の子と、彼女が引っ越してきた家の隣に住む年老いた飛行士との出会いから始まります。「飛行士?」とピンと来た方、そうです。彼は「星の王子さま」で砂漠に不時着した、あの飛行士だったのです! ふたりは次第に仲良くなり、飛行士は何十年もの間、誰にも打ち明けなかった話を女の子に語り始めます。"星の王子さま"との、かけがえのない思い出を......。
「星の王子さま」の映画化......といっても、原作のストーリーをなぞるだけではなく、まったく新しい視点から物語を見つめた新感覚の作品。監督は『カンフー・パンダ』のマーク・オズボーン氏、製作スタッフには『ファインディング・ニモ』のキャラクターデザインをつとめたピーター・デ・セブ氏や、『塔の上のラプンツェル』でラプンツェルの髪の表現を見事に描き切った日本人クリエイター四角英孝氏など、ハリウッドのアニメーション製作最高峰ともいえる顔ぶれがズラリ。映像は、女の子や飛行士が生活する現実世界を最先端のCGアニメーションで、星の王子さまの世界を温かみのあるストップモーションアニメで表現。この"ハイブリッド・アニメーション"が原作の魅力を引き出し、ストーリーに深みを持たせます。

声優陣も超豪華。英語版ではジェフ・ブリッジス、ジェームズ・フランコ、マリオン・コティヤール、ベニチオ・デル・トロらが参加するそう!
先日、マーク・オズボーン監督と四角英孝氏が来日し、製作記者会見が開催されました。原作の大ファンだという監督には、「星の王子さま」をめぐるこんな素敵なエピソードが。
「NYの大学で一緒だったガールフレンドと3年間一緒に暮らしていたんだけど、私がアニメの勉強をするためにLAに引越して、彼女とは別れてしまったんです。でも、やっぱりお互い好きだと気付いて。再会した時に彼女から贈られたのがこの『星の王子さま』でした。そのガールフレンドとは結婚して、今では二人の子どもがいます!」
そんなオズボーン氏は原作の世界観を大切に思うあまり、当初は監督の話を断ったそうですが、一生に一度のチャンスと思いなおし、原作に忠実に向き合いながら、2年以上かけて脚本を練り上げたのだとか。そして監督のビジョンに共感したサン・テグジュペリ エステート(権利管理者)が、史上初めて星の王子さまの"その後"の物語を描くことを公認したのです。製作期間はそこからさらに3年。登場人物の顔の表情ひとつとっても、解剖学的な正確さを求めて、慎重に進めていったといいます。

マーク・オズボーン監督(左)とキャラクター監修の四角英孝氏(右)。二人のあいだにあるカバンは、監督が今回の作品で表現したいものを視覚化して共有するために製作したもの。
CGとストップモーションアニメを組み合わせるという新しい技術は、これまで多くの経験を積んでいる四角氏にもチャレンジングなことだったそう。「二つの映像をスムーズに繋ぐために、ストップモーションアニメが持つクラフトマンシップ精神が、CG部分にも大いに参考になった」という興味深いお話を聞かせてくれました。監督との仕事についても「マークは細かくて完璧主義だけれど、いいものを作りたいという情熱にスタッフ全員が引き込まれています」と、手ごたえを感じている様子。

ストップモーションアニメの撮影に使用された王子さまやきつねなども、実際に見せてもらいました!
誰も知らなかった、星の王子さまの"その後"。そこにいったいどんなストーリーが隠されているのか......1年先の公開が待ちきれません! みなさんもこの『リトルプリンス 星の王子さまと私』を通して、改めて「星の王子さま」のエターナルな魅力を感じ、そこから「星の王子さま」と自分自身の物語を紡いでみてはいかがでしょう?

『リトルプリンス 星の王子さまと私』
2015年12月、全国ロードショー
配給:ワーナー・ブラザース映画
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