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きょうもシネマ日和

女性が観るべきSF映画!漆黒の宇宙に輝くサンドラ・ブロックの生への闘い『ゼロ・グラビティ』

きょうもシネマ日和

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第70回ベネチア国際映画祭オープニング作品、第38回トロント国際映画祭特別上映作品にもなり、全世界43カ国にてNo.1、全米では3週連続トップ、実はこれほどの大ヒットは配給側も予想していなかったのだとか。


大変だ、気づけばあと1カ月あまりで今年も終わってしまう。街は私に許可なく(←当たり前)クリスマスモードになっているし、来年のカレンダーや手帳が販売され、おせちの予約まで......。あ、焦る。そんな"クリスマスをドキドキ待っている女子"から程遠い私がとびきり感動し、目先のあれやこれやから思いきり解放されたのが、本日ご紹介する映画『ゼロ・グラビティ』だ。

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監督はオスカー®ノミネートのアルフォンソ・キュアロン(『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』『天国の口、終わりの楽園。』『トゥモロー・ワールド』)。本作でもアカデミー候補になるのでは?と話題になっているとか。


◆ ストーリー

地表から600km上空。そこは"宇宙"と言われ、何もかもが完璧な世界。メディカル・エンジニアのストーン博士(サンドラ・ブロック)と、ベテラン宇宙飛行士マット(ジョージ・クルーニー)の二人は他愛もない会話をしながら、船外でミッションを遂行中だった。しかし、突然事故が発生。スペースシャトルは大破し、彼らは無重力空間"ゼロ・グラビティ"に放り出されてしまう。すべての通信は断たれ、誰も助けが来ない宇宙で二人をつなぐのは、たった1本のロープのみ。残った酸素はあとわずか。地球との交信手段も断たれた絶望的状況下で、二人は果たして無事生還することができるのか......!?

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ジョージ・クルーニーは、宇宙にいるような動きをしながら、普通に早口で話すのが難しかったのだそう。撮影中は出来上がりの映像が想像できなかったとか。


◆ 各界の巨匠が絶賛

本作のキャストは、たった二人。サンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーだけ。宇宙を舞台にしながらも、意外と小規模な映画なのかなと思いきや、その壮大なスケールと想像を遥かに超える映像美、そして観る者の心をわしづかみにするドラマティックな展開に、各界が称賛。なんと、スティーブン・スピルバーグは、「この映画を観た後、言葉が出なかった」と話し、ジェームズ・キャメロンが「史上最高の宇宙映画」と言い放ち、クエンティン・タランティーノが今年見るべき映画10本(暫定)に挙げた。さらには、現在まさに宇宙でミッションを遂行している宇宙飛行士の若田光一さんも「面白かった!」と仰っていたとか。

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本作の為に徹底的なワークアウトをこなし、女性らしさを消したボディに仕上げたサンドラ・ブロック。12月頭には監督らと共に来日が決定。


◆ 女性が、宇宙で、たったひとりで闘いぬく姿

と、ここまで書けば、どうやらスゴい映画らしい......ことはお分かりいただけたと思う。でも、おそらく、特にSF好きでない方にとっては、「女性が見ても面白いの?」という疑問が浮かんでいるのでは? あくまで私の感想なのだが、心配なし! むしろ、女子必見!

というのも、サンドラがとにかく頑張る。宇宙でたったひとりでも頑張る。もはや絶体絶命な状況にも陥るのだけど、頑張る。それが白々しくなく、暑苦しくもなく(笑)、東京砂漠でひとり生き抜く自分と重なり(←全然レベルが違う)、最後はサンドラ=私。その上、宇宙の映像がロマンティックなくらい美しい。

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より宇宙を体感したい方はIMAXシアターで鑑賞してみて欲しい。上映館などは公式サイトでチェックを。


◆ さいごに

本作はぜひ3Dでの鑑賞をお薦めしたい。まるで自分が本当に宇宙に放り出されたような気分が味わえるからだ。彼方から飛んでくる宇宙ゴミの脅威まで肌で感じることができる、まさに"2013年宇宙の旅"状態。90分間地球から離れ、宇宙で生きることと向き合った後は、もはやクリスマスやおせちなんてどうでも良くなる。生きてるだけで充分だ! という悟りの域に。

そこまで私のように現実逃避しなくとも、ご覧になった方は、日常のちまちま・クヨクヨなんて宇宙レベルで考えたら、なんとまぁちっちゃいこと、サンドラのように強くたくましく生きていこうと思えるのではないだろうか。そして、そんな彼女の気高さや精神性が非常に美しく描かれている。そんなアルフォンソ・キュアロン監督の手腕にも是非注目して欲しい。


『ゼロ・グラビティ』
監督:アルフォンソ・キュアロン
出演:サンドラ・ブロック、ジョージ・クルーニー
2013年12月13日(金)全国ロードショー(3D/2D同時公開)
(C)2013 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC.
http://wwws.warnerbros.co.jp/gravity/
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