ボッテガ・ヴェネタを率いるトーマス・マイヤー、自身のプライベートレーベルの展開について明かした。
Fashion 2014.12.17
イタリアのラグジュアリーブランド「ボッテガ・ヴェネタ」のクリエイティブディレクターを務めるトーマス・マイヤーが、自身のプライベートレーベルの規模を拡大したことについて、そのタイミングは間違っていなかったと語った。
前任ディレクターのトム・フォードから指名を受け、2001年から同ブランドを指揮しているトーマスだが、これとは別に自身の名を冠するプライベートレーベルも1997年に設立。近年、トーマスは自身のレーベルにもっと力を注ぐことを決め、昨年にはボッテガ・ヴェネタやグッチなどを傘下に持つフランスの流通大手ケリング社と、トーマス マイヤーについてもパートナーシップを本格化させ、"シンプルで洗練された、デザイナー視点の趣向"をコンセプトにしたライフスタイル全般のアイテムを展開する。
「変化というのは、いつもそのタイミングが悩みどころだ。というのも、私のブランドは15周年を迎えるところだった。新たに展開していく時か、このまま定番商品だけで続けていくかの岐路にあったんだよ」と、トーマスはファッション情報サイト『Matchefashion.com』で説明している。「このレーベルは、ファッションのためのファッションに疲れてしまった人や、実用的で丁寧に作られた手の届く価格のものを求めている人から、支持を得ていると思っているんだ」。
トーマス マイヤーのコレクションは、カーディガンやジーンズ、シャツなどのリラックスしたスタイルがコンセプト。その一方で、起毛したコットンのフーディや柔らかいポプリン素材のカジュアルジャケットなど、すべてのアイテムにラグジュアリーな要素が加えられている。またアイテムには、黒やネイビー、カーキといった落ち着いた色が多く使われている。「オフタイムや週末とか、プライベートな時間のためのアイテムをコレクションにするデザイナーなんて、ほかにいないよね。でもそれこそが、私が追求したいところなんだ」と、トーマスは語った。
自身のブランドと、ボッテガ・ヴェネタというラグジュアリーブランド。どちらにも市場があることをトーマスは指摘し、それぞれのデザインを生み出す創作過程は少し異なると打ち明けた。「自分のブランドには私個人の趣向が前面に出ている、と言っていいかな。それに比べると、ボッテガ・ヴェネタでは、工芸品を作り出す卓越した能力を持つ職人たちの技を、最大限引き出す仕事となるように心がけているんだ」。
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