この50ルックのルールで、もう毎朝着る服で悩まない。
Fashion 2017.10.12
自分の名を冠したブランドだけでなく、「ユニクロ」とのコラボレーションや「ロジェ ヴィヴィエ」のアンバサダーとしての活動でも知られ、パリ・シックを体現するイネス・ド・ラ・フレサンジュ。彼女がモードジャーナリストのソフィ・ガシェと書いたスタイルガイドブック『もう、今日着る服で悩まない パリジェンヌ流おしゃれのレシピ』が、日本でもまもなく発売。来日中のイネスに、この本についてインタビューをしました。
©Alessandra d’Urso
―この本を書こうと思ったきっかけを教えてください。
今朝もそうだったんだけど、私だって何を着ようかと迷って、いつもおしゃれな女友達がアドバイスしてくれたら!と思うんです。
こんなこともあったわ。ある世界的に有名な美しい女優と食事をしていたときに、彼女が「今夜のガラディナーに何を着て行けばいいかしら?」と聞くのです。ブランドの服をたくさん持っているはずなのに……。そこで、「下着の上に直接シルクのコートを着てベルトを締め、ドレスのように着こなしたら? アクセサリーはいらないわ。ロジェ ヴィヴィエの美しい靴を履けばいいだけ」と、この本に出ている1ルックをすすめたの。その夜の彼女はとても美しいと皆が噂していたのを耳にして、私は内心、鼻高々(笑)。つまり、女性であれば誰もが抱える悩みについて、手助けをしたいと考えたのです。
©Benoît Peverelli
―モデルの顔をあえて本に載せなかったのは、どういうお考えからですか?
若いモデルにしか似合わないルックだと思ってほしくなかったの。すべての女性が、自分の顔を投影できるようにしたかったのです。
―本で紹介された50ルックの中で、もっともご自身のスタイルを反映しているのは?
ジャケットにホワイトジーンズ、ローファーのルックだけど、これは背の高さに関係なくどんな体形の女性にも似合うはずよ。バーバリーのトレンチコートにウィンドブレーカーやユニクロのパーカといったように、ラグジュアリーなものとカジュアルなものをミックスするのも好きです。
©Benoît Peverelli
―この本を読む人たちに、イネスさんがもっとも伝えたかったことは何ですか?
長年モードに携わってきて思うのは、そんなにたくさんの服は必要なくて、もっとシンプルでいいということ。この本は、たくさん買い物をすることに対する一種のパロディでもあるのよ。ジーンズやシャツなどごく一般的なワードローブを、いかに組み合わせるかが大事なの。それと、私がモード界で得た教訓としてぜひ伝えたいのが、既成概念を“壊す”こと。たとえば、エレガントな服にはハイヒールを合わせがちだけど、フラットシューズでバランスをくずすのがおしゃれの秘訣だったりするのです。カシミアコートにスニーカーを合わせるなど、異なるテイストをミックスする自由をもっと楽しんでほしいわ。
『もう、今日着る服で悩まない』(CCCメディアハウス刊)は10月13日発売。¥2,700
イネス・ド・ラ・フレサンジュ、ソフィ・ガシェ/著
喜多川美穂/訳
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texte : MIHO KITAGAWA