マックスマーラ、2019年リゾートコレクションをレポート。
Fashion 2018.06.11
1951年にイタリアのレッジョ・エミリアで創業したマックスマーラは、2019年春夏のリゾートコレクションをその創業地で開催。前衛アーティストたちの作品からインスピレーションを受け、ファッションとアートをモダンに調和、ナチュラルなカラーパレットで仕上げた、美しく詩的なコレクションを披露した。
コレクションが発表されたのは、イタリアのレッジョ・エミリアにある美術館「コレツィオーネ・マラモッティ」だ。ガラスのファサードを通って太陽光に照らされるギャラリーには、ミラノ、ローマ、トリノで活躍した、アルベルト・ブッリ、ルーチョ・フォンタナ、ピエロ・マンゾーニ、ガストン・ノヴェッリ、サイ・トゥオンブリー、ヤニス・クネリス、ジョバンニ・アンセルモなど、前衛アーティストたちの作品が所蔵、展示されている。大胆な作風、素材へのこだわり、ポエティックなシンボルたちは、リゾートコレクションへ大きな刺激を与えた。
今回、注目すべきはカラーとテクスチャーの数々。
カラーパレットには、コンセプチュアル・アートの先駆者たちが好んだ、エクリュ、ジンクホワイト、アイロングレー、ジュートイエロー、ミッドナイトブルー、カーボンブラックなどナチュラルな色味がラインナップ。素朴なカラーはマックスマーラが誇る上質な生地と見事に調和した。
そのほかにもガストン・ノヴェッリの作品「Dizzy」に見られるようなウルトラマリンブルーやビリジアングリーン、レモンイエローなどが登場し、コレクションにアクセントを生んでいる。
テクスチャーは、ピエロ・マンゾーニの作品「Achrome」を彷彿とするパッチワークや波状のプリーツに、アルベルト・ブッリの「Ferro」に見られる彫刻的なフリル、1960年代後期のイタリア美術運動を代表するアーティスト、ジョバンニ・アンセルモの「Torsione」から生まれた曲線的なひねり、結び目などが象徴的だ。カリグラフィープリントもまた、文字に魅了された作家たちからインスパイアされている。
優しくも物憂げな色彩とテクスチャーにより完成された、脱構築的なゆったりとしたドレスやパンツ、透け感のあるトップにオーバーサイズのコート。肌に心地よい上質な素材と仕立てが、リラックスした時間へと誘っていく。
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もともとはマックスマーラの本社として使われていたコレツィオーネ・マラモッティ。改装を経て現在は数百点以上の作品を所蔵する美術館に。新作を纏いランウェイを歩くモデルと、展示された作品との対峙が興味深い。無機質な空間に、夕方わずかに入る日の光とライティングの光が上品にウエアを際立たせた。
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ブランドの代名詞でもあるコートは、ピュアキャメルの新作、ダブルフェイスコートや、ボリュームのあるケープのようなコート、さらにカシミアとナイロンのリバーシブルコートなどが登場。特に革新的なアイテムは、シルクオーガンザで仕立てたキャメルヘアーの中綿入りオーバーコートだ。アーティスト、アルベルト・ブッリの作品にみられる、繊細にコラージュされた麻袋を想起させる。
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太めのレザーベルトとナチュラルでベーシックなカラートーンが上品なシューズには、ヒールとフラットが登場。ビッグサイズのレザーバッグには贅沢なプリーツが施され、リラックスした雰囲気ながらも品よく存在感を放つ。
会場には、ウィメン・イン・フィルムが主催し、マックスマーラが協賛する「マックスマーラ フェイス・オブ・ザ・フューチャー賞®」の今年度受賞者に選ばれた女優のアレクサンドラ・シップも登場。同賞は、映画やテレビ業界で目覚ましい活躍をし、将来が期待される女優へ贈られる賞だ。『X-MEN:アポカリプス』では、モヒカンヘアでストーム役を好演している。他にもイタリアのエレオノーラ・カリシや、LAのアイミー・ソングなどのファッションブロガーをはじめ、世界中からセレブリティとファッショニスタたちが参加した。
マックスマーラ2019リゾートコレクションを全ルック紹介!















































































