恐ろしさと美しさが共演する「カイダン エディションズ」。
Fashion 2019.07.29
正反対のふたりの緊張と反発が出発点、ダークなムード漂う強い服。
小林正樹監督の映画『怪談』(1964年)から取ったブランド名がインパクト大のカイダンエディションズ。
「深みのあるストーリーと美しいセットや音楽が一体となっている同映画のイメージをブランドに注ぎ込みたいと思ったんです。毎シーズン、“ダークで恐ろしいもの”の中にある美しさを探求し、現実と非現実の二面性を表現しています」。
レアはフランスの田舎出身で、リック オウエンスなどで経験を積んだ。ハンはアメリカ郊外で育ち、フィービー・ファイロ手がけるセリーヌなどを経ている。「ものづくりにおいてはまったく異なる出自のふたりから生まれる、緊張や反発を大事にしています。その中で、どこかぴったり合うところが出てくるんです」。
3月にはパリで初のショーを開催し、徐々に発表の場を広げている。「シューズやジュエリー、メンズウエアもスタートさせるつもり。SNSも積極的に活用しながら、ブランドの世界観を伝えていければ」

Hung La(左)
Lea Dickely(右)
レア・ディッキリー & ハン・ラー
(カイダン エディションズ デザイナー)
2016年ブランド設立。昨年はLVMHプライズ、今年はANDAMファッション・アワードのファイナリストに。写真を学んだレアはイメージビジュアルも撮影している。ハンは古着を愛用。「服には魂が宿る。大切にすることが真のサステナビリティ」
---fadeinpager---
「過剰な装飾は不要。存在感のある強い服を作りたい」というふたり。特徴はシンプルでクリーンなフォルム。タイガープリントで、端正なスタイルとは異なる二面性を表現。コート¥201,960/カイダンエディションズ(アディッション アデライデ)
ビビッドカラーもシックな印象に。シャツ¥125,280/カイダンエディションズ(アディッション アデライデ)
【関連記事】
温もりのある「家」のモチーフから派生したジュエリー。
※『フィガロジャポン』2019年9月号より抜粋
photos : JOHN CHAN (OBJETS), SATOKO TSUYUKI (PORTRAIT), stylisme : MAYU YAUCHI, texte : MAKI SHIBATA, ITOI KURIYAMA (INTERVIEW)