マーガレット・ハウエル、50周年のニューコレクション。

Fashion

今年50周年を迎えたマーガレット・ハウエル。世界中が困難な時を過ごすいまでも、まったく変わらない彼女のもの作りへの姿勢をマーガレット本人に聞いた。

スタジオ内の自身のデスクに座るマーガレット。1981年撮影。

9月に行われたロンドン・ファッション・ウィーク。多くのデザイナーがフィジカルなショーからデジタルに移行したなかで、マーガレット・ハウエルは、ショーは開催せずにブランドサイト内でニューコレクションのビジュアルを公開。それに先駆けてウィグモア・ストリートにあるデザインスタジオには、限られたプレスを個別に招いてのSS21コレクションのプレビューが行われた。

端正でメンズライクなシャツやジャケット、甘さを控えたドレスなどのマーガレットらしいアイテムとともに、ボリュームのあるシルエットとウエストを絞ったボトムス、間隔を空けてプリントされたドット、温かみのあるブラウンの色合いなどが目を引く。これまでと変わらない定番アイテムと今回加えられた要素。そのコンビネーションが新たなストーリーを作り出している。

微妙に色みの違うブラウンを、トップとボトムスに合わせて。レザーベルトでマークしたウエストとボリュームたっぷりに仕上げたスカートのバランスが、新シーズンらしさを醸し出す。

パンツも大きなタックでゆったりとしたシルエットに。端正なシャツとベストとの相性も抜群。

キュロットパンツも登場。トレードマークのメンズライクなシャツと細身のタイを合わせて。

「Constant progress of review and renewal(反復と更新による絶え間ない進歩)」。新シーズンのコレクションを作るにあたっての心境を聞くと、マーガレットは服をディスプレイしたボードに書かれていたこの言葉をまずは指差した。

「毎回、新たな物語を紡ぐことを考えています。でもそれは、まったく新しいものを作り出すのではなくて、これまで作り上げてきたものを踏まえながら、さらに先に行くことを目指しています」

たとえば今回、ドットプリントは大きさを調整することで一新したイメージに。長年続いているバブアーとのコラボレーションのサマージャケットでは、お馴染みのオイルクロス地ではなく、織りを密にすることで防水となるベンタイルというコットン生地を使用。さらりと軽く仕上げた。

これまで繰り返し使用してきたドットプリントは、大きさと間隔を変えることで新たな表情に。

バブアーとのコラボレーション。軽やかに仕上がったジャケット。

春から初夏にかけて、イギリスは厳しいロックダウンに見舞われたが、その影響は微塵も感じさせない。「今回ランウェイを行わなかったことを特に残念とは感じていません」とマーガレットは静かに微笑む。世の中が未曾有の出来事にのみ込まれても、彼女の姿勢はほんの少しも揺らがないとでもいうように。

また今年はブランドがスタートして半世紀という記念の年。2月にはロンドンのフラッグシップ店でその歴史を振り返るエキシビションも開催し、映像作家エミリー・リチャードソンとのコラボレーションでブランドの神髄となるインスピレーションを探るショートフィルムを作成した。

映像作家エミリー・リチャードソンと制作したショートフィルム。

「ニューコレクションで新たな色やファブリック、シルエットなどを登場させたように、シーズンごとに得たインスピレーションによって加わる要素はあります。それでも、もの作りへの根底はずっと変わることはありません」

90年代に撮影された、マーガレットのポートレート。

ショートフィルムにも登場する、初期のワークルームの様子。

創業50周年を祝うアイテムとして登場した、旧ロゴの「ウォーカーズマーク」がプリントされたコットンバッグと、初めて手がけたシャツの復刻版2種はすでに完売。しかし来春には、新たに初期のデザインをベースにしたシャツが日本限定で登場予定だ。70年代から変わらずに使用している伝統的で由緒正しい「トーマスメイソン」の生地を採用し、アップデートしたスタイルでお目見えする。

マーガレットの創り出す品々を纏って、時代に左右されないスタイルを体現したい。

●問い合わせ先:
アングローバル
tel:03-5467-7864
www.margarethowell.jp

 

texte : MIYUKI SAKAMOTO

この記事の元URL: https://madamefigaro.jp/fashion/201124-margarethowell50.html