ライター栗山愛以による、パリコレ日記。東京から遠隔でコレクション取材を続ける栗山が、マニアックな視点で気になる最新トレンドを綴る。
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PARIS COLLECTION
DAY 1
Dior
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ティザービデオでは舞台装飾をデザインしたイタリア人アーティスト、アンナ・パパラッチがフォーカスされていて、彼女らしいアジアっぽいムードのコレクションなのかな?! と想像していたら、全然違った!
1960年に徴兵でメゾンを離れたイヴ・サンローランに代わり、以降30年間ディオールを引き継いだマルク・ボアンのクリエイションに着想を得たよう。シンプルでクリーンな60年代風ルックが続き新鮮だった。
当時はミニスカートが最先端アイテム。ミラノに引き続き、来季は脚見せ必須のような気がしてくる。上半身の露出も目立ったが、ベージュのセカンドスキン的トップを差し込んでいるのが身体に自信がない人にはほんの少し救いになるかも?!
22年クルーズに続き、ボクシングっぽいスポーティなルックも。
大胆なタイガー、ゼブラ、蝶々のグラフィックはアイコニックな「トワル ドゥ ジュイ」パターンを元にしたのだそう。
アーティスティックディレクター、マリア・グラツィア・キウリさんの新境地を見たような。
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Saint Laurent
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ティザービデオはエッフェル塔。あー、いつもエッフェル塔が見えるトロカデロ庭園を会場に、点灯の夜8時に合わせてショーを開始していたなあ、と現地にいないことを哀しく思う。
冒頭から大胆に肌を露出しているタイトなシルエットに驚く。本誌12月号(10月20日発売予定)で「若手ブランドの探し方」をテーマに座談会を開催し、今年LVMHプライズグランプリを獲得したネンシ ドジョカをはじめとする若手ブランドの肌見せブームを知ったが、その波は本当にメインストリームに浮上してくるのかもしれない。
パブロ・ピカソの娘で、自身もアーティストとなったパロマに着想を得たそうで、彼女は1971年の通称「スキャンダルコレクション」でムッシュ イヴ・サンローランにも影響を与えている。独自の着こなしをしていたらしく、ウエストにクラッチを差し込む不思議なスタイリングも彼女由来なのでは。どんだけかっこ良かったのか、ちゃんと彼女のファッションを見直さねばならない。
印象的だったフラワープリントは、アーカイブのものだそう。
text: Itoi Kuriyama photos:imaxtree