美しい服の理由。 ルイ・ヴィトンが描いた新しい旅の世界。

Fashion 2021.11.12

一着の服によってもたらされる高揚感や喜びは、何ものにも代えがたい。その服に込められた力は、いったいどこから来るのだろう。クリエイションの原点やメゾンのアティチュード、ものづくりの哲学など、私たちが愛してやまないファッションの物語を紐解いてみよう。今回は、ルイ・ヴィトンの話。

LOUIS VUITTON
[ 時空を越える旅へ ]

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フォルナセッティの絵柄をジャカード織りで表現したコートは、まさに着るアートピース。オーバーサイズのコートをバサッと羽織り、ブーツのファスナーを上げ、さあ次なる旅先へ。コンパスの指針の先にあるのは、フォルナセッティが描いた古代ローマ。コート¥786,500、ノースリーブニットトップ(参考商品)、スカート¥621,500、イヤカフ¥55,000、ネックレス¥60,500、ブーツ¥250,800(すべて予定価格)/以上ルイ・ヴィトン(ルイ・ヴィトン クライアントサービス)

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ニコラ・ジェスキエールが挑む古代への旅

ルイ・ヴィトンが描く新しい物語は、イタリアのデザインアトリエ「フォルナセッティ」とのコラボレーションだ。ウィメンズ アーティスティックディレクターのニコラ・ジェスキエールとフォルナセッティのアーティスティックディレクターであるバルナバ・フォルナセッティが話し合い、約1万3000 点に及ぶフォルナセッティのアーカイブからアートワークを選び、服やバッグに落とし込んだ。ニコラ・ジェスキエールは、旅することを決して諦めない。今回ニコラが描いたのは古代から現在、そして未来へと続く、時空を越えた偉大なる旅路だ。

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ニコラ・ジェスキエール:ショー前日のインタビュー

「ここ数カ月、世界に出かけていって人々に出会うことができなくなったことをどうするか──世界的なブランドとして考えていた時、「動かなくても旅はできる」と思い付いた。それが僕を、「神話」へと導いた。それこそが、この秋冬の出発点だった。

並行して、ルーヴル美術館とパートナーシップを結んでいるので、ショーを行うことのできる部屋を見学しに行ったんだ。提案されたのは、ミケランジェロとダリュのギャラリーという素晴らしい場所だった。このワードローブの中にドレープがないのは、アトリエ・フォルナセッティとコラボレーションしたからだ。このプリント工房の、古代ローマに根ざしたイコノグラフィや、ジオ・ポンティとのコラボレーション、この白と黒とグレーの世界が僕は好きだ。そこにはネオクラシックのサヴォワフェールの考え方があると同時に、普遍的な美意識があると思う。それがルイ・ヴィトンのエスプリに通じると感じた。

ずっと以前からやりたいと思っていたことを、現在の状況のおかげで達成することができた。時間のゆとり、あるいは強い意志の力が欠如しているせいで実現できなかったことが不思議だ。いまだからこそ、僕の中に気持ちのゆとりがあったんだ。

この数カ月、モードとの関係が変わった点は、ずばり快適さだと思う。快適でありながら、とても美的であること。その両立が可能だと思う。これはもう、後戻りできないだろう。それが、今回のコレクションで追求した点でもある。たとえば刺繍を豊富に施した洗練されたムードと、ほとんどカジュアルと言っていい気分の間のバランスを見つけること。よそ行きの服に着心地のよさを与えること。シルクに紙を貼り付けた「チップス」のような素材をフェルト化して縮ませ、サバイバルのブランケットのような雰囲気を持たせるなど、実験的なテクニックを施したパーカはわかりやすい例だ。

ルイ・ヴィトンでは常に、素材について、どこまでできるか可能性を追求している。いくつかのチャレンジングな例は、それにあったプロジェクトが来るまで温めておくし、シーズンの方向性で実現するものもある。いずれにしろ、ルイ・ヴィトンではバッグでも服でも、たくさんのクラッシュテストを行っている。

今シーズンは、セルロイドファイバーの刺繍でフォルナセッティの顔をプリントしてはめ込んだシルクビロードのドレスの製作に、非常に長い時間をかけた。最初の実験では壊れてしまい、被服として縫うことができなかったというエピソードもあるんだ。また快適さという点では、服に羽毛のような質感を与えたかった。そこで、キルティング、羽根、ムース、化繊の中綿などのテクニックを学び、布の落ち方が最高なこのリサイクルの中綿に辿り着いた。サステナビリティの考え方にも呼応していることも、いまの時代の考え方として必要不可欠だったんだ」

ル・フィガロ紙のインタビューより抜粋

●問い合わせ先:
ルイ・ヴィトン クライアントサービス 0120-00-1854(フリーダイヤル)

*「フィガロジャポン」2021年10月号より抜粋

photography: Mitsuo Okamoto styling: Tamao Iida hair: Yusuke Morioka (Eight Peace)  makeup: Nobuko Maekawa (Perle Management)

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