美しい服の理由。 バレンシアガのファッションを通じた社会アクションとは?

Fashion 2021.11.12

一着の服によってもたらされる高揚感や喜びは、何ものにも代えがたい。その服に込められた力は、いったいどこから来るのだろう。クリエイションの原点やメゾンのアティチュード、ものづくりの哲学など、私たちが愛してやまないファッションの物語を紐解いてみよう。今回はバレンシアガの話。

BALENCIAGA
[ ファッションで世界を救う ]

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デムナが取り組むのは、ファッションを通じた社会的なアクションだ。ゲイプライドを讃えるロゴのTシャツは、メッセージ性というだけではなく、実際に商品の売り上げの一部が支援団体に寄付される。さらに、バレンシアガのサステイナブルな取り組みも進化を遂げている。今回のコレクションの無地とプリント生地の90.6%がサステイナブルの認証を得たものを使用。フードのフェイクファーがアクセントのボンバージャケットは、GRS認証のリサイクルポリアミドを使用したもの。ポジティブなラグジュアリーの表現は拡張し続けている。ボンバージャケット¥381,700、Tシャツ¥69,300、スカート¥168,300、パデッドストール¥104,500、左耳のピアス¥81,400、右耳のピアス¥93,500(ともに両耳セット価格)、ネックレス¥108,900、ブーツ¥223,300(参考色)/以上バレンシアガ(バレンシアガ クライアントサービス)

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デムナ・ヴァザリアが目指す社会的な変革:ファッションはマニュフェスト

バレンシアガのシリーズは、一見すると楽観的で“Feel Good”なムードが漂う。だがそこに宿るのは力強いメッセージと、社会的な使命感だ。あらゆる社会問題へ人々の意識を向けるという、発信力のあるブランドならではのコミットメント。

さらに、シリーズの売り上げの一部を各コミュニティや支援団体に寄付するというアクションを続けている。シリアスな社会問題に対して声高に主張するのではなく、あくまでもポジティブな姿勢を保ちながらユーモアを貫き通す。着ることは意思表明のひとつ。デムナの変革はこれからも続く。

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LGBTQIA+をセレブレート

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Balenciaga Pride 2021シリーズは、LGBTQIA+の認知度と受容を促進するための取り組みだ。製品の売り上げの15%が、1998年に設立されたレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クィア、クエスチョニング(LGBTQ)の若者のための、24時間年中無休の危機介入と自殺防止プログラム、およびセーフスペースソーシャルネットワーキングサイト、教育プログラムを提供する組織である「The Trevor Project」の支援に充てられる。

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世界の飢餓撲滅を目指す

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バレンシアガの最初のコラボレーションとなったのはWFP。紛争や自然災害の被害を受けた人々への食糧支援や、より良い未来のための基盤作りなど、世界80カ国以上で支援活動を行う団体だ。世界的規模の飢餓について関心を集め、さらに取り組みを支援するため、2018年にコラボレーションを発表。WFPとそのスローガン“Saving Lives, Changing Lives”のロゴを施したアイテムを発表した。現在も支援は継続しており、シリーズの売り上げの収益の20%をWFPへ寄付している。

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動物救助サービスを支援

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2020年に発表されたのは、動物救助サービスを支援するシリーズだ。バレンシアガの社員が飼っている保護された犬や猫の写真をプリントしたTシャツやフーディ、骨モチーフのジュエリーを展開。また、バレンシアガが設置した、シェルターから保護された動物を引き取る際にアドバイスを受けられるホットラインに繋がる電話番号やURLをフィーチャーし、アイテムに表記した。売り上げの10%をフランスで最も著名な動物保護慈善団体であるLa SPAに寄付している。

 
●問い合わせ先:
バレンシアガ クライアントサービス 0120-992-136(フリーダイヤル)

*「フィガロジャポン」2021年10月号より抜粋

photography: Mitsuo Okamoto styling: Tamao Iida hair: Yusuke Morioka (Eight Peace)  makeup: Nobuko Maekawa (Perle Management)

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