メゾン マルジェラの「アイコンズ」とは?
Fashion 2021.12.24
2021年秋冬、メゾン マルジェラは、進化するジェンダーレスなワードローブ、時代を超越した普遍のスタイル、そしてフォーマルウエアを再定義した新たなライン「アイコンズ」をローンチ。
バイアスカットを施したハンマードシルク素材のイブニングドレス。
「アイコンズ」が提案するのは、シーズンやジェンダーにとらわれない、新しい価値観を反映したピース。これらは、クリエイティブディレクターのジョン・ガリアーノによって提起され、進化するメゾンの永続的なコードが落とし込まれている。本コレクションは、永続性と普遍性のスピリットにあふれたガーメントやアクセサリーをアイコン化したもので、記憶に残る印象が、ブランドと着るひとをロイヤリティーという絆で結びつけ、その本質を具現化。
シャツの花譜にはメゾンのハウステクニック「デコルティケ」のカットが、ニット部分にはメゾンのコード「アノニミティ・オブ・ザ・ライニング」を反映したクラフツマンシップが見て取れる。
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メゾン マルジェラの従来のナンバリングシステムにおいて、ウィメンズとメンズのための高尚なクラシックワードローブとして定義されたライン 4とライン 14を基盤とし、「アーティナザル」から始まるメゾンのピラミッド型のクリエイティブアプローチから生み出された「アイコンズ」は、ガリアーノによって、ライン 4は「ウィメンズのアイコンズ」、ライン 14は「メンズのアイコンズ」として再定義される。「アーティザナル」は、オートクチュールのアトリエで提起されるジェンダーレスなコレクションだが、進化したプレタポルテの中から選び抜かれたアイテムが、メゾンのキーピースとして「アイコンズ」に区分され、永続的にメゾン マルジェラのショップで展開されていく。たとえば、21年の「アーティザナル」コレクションで発表された新コード「インバーテッド・スノバリー(スノッブ意識の反転)」のアイデアが、アイコンズコレクションのガーメントの構造に取り入れられ、「シャドウ・プレイ」のテクニックが、ポケットのライニングを暴く。全体を通して、服を急いで着る動作に着想を得て誕生したコード「ドレッシング・イン・ヘイスト」のアイデアと、代々受け継がれてきたようなヘリテージの感覚が漂う。
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「アイコンズ」のピースには、赤い糸のディテールやディコルティケのボタンホール、パンツのフック、Mのイニシャルが赤い糸で刺繍された「M」ステッチのボタンといったブランドのアイデンティティによって区分される。
アクセサリーでは、シグネチャーシューズの「タビ」が、リサイクルラバーのダービーとパンプス、「ビアンケット」加工を施したレザーのブーツ、ダービー、パンプスとなって登場。「5AC」バッグはカーフレザー、「グラム スラム」はオリジナルのカーフスキンがセレクトされている。
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text: Natsuko Kadokura