Kawakyun 経年変化していく革を使い、 ハンドメイドで革小物をつくる理由。

Fashion 2022.01.19

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東京・大岡山の商店街の外れに、一点もののレザーアイテムをオーダーメイドする、ギャレットワークス(GARRET WORKS)の路面店がある。オーナーの佐藤寛(ゆたか)さんは、ファッションブランドで20年仕事をしながら独学でレザークラフトを学び、6年前にこの店を開いた。

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ギャレットワークスのオーナー、佐藤寛さん。ヴィンテージのレザージャケットに、ボタンを付け替えたヨウジヤマモトのベストを着用。古いものを愛する佐藤さんは、20年代から70年代のレザージャケットを数多く所有する。

古い柱時計がカチコチと時を刻み、100年前のフランス製の傘や鳥かごなど、さまざまなアンティークが並ぶ店内。ここで佐藤さんがオーダーを受けて制作するのは、彫金師から注文を受けた革のエプロンや、40年代のジッパーを使ったホースレザーのバッグ、フランス海軍のヴィンテージボタンを使ったウォレット、美しい色合いのサドルレザーの眼鏡ケース、手帳カバーなどさまざまだ。

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背景の革は、和牛の皮を日本で鞣したもの。この革でつくり、6年ほど使った佐藤さんのスマートフォンケースは、同じ革と思えないほど色が深くなり、独特の美しさを醸し出す。

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革には、育てていくおもしろさがある。

佐藤さんが使うのは、経年変化するベジタブルタンニンで鞣された革。馬具に多く用いられるサドルレザーをはじめ、多種多様な革が並ぶ。和牛を日本で鞣した革は、あまり時間を置かずに経年変化が進み、革を使い込む醍醐味が体験できるという。

「ベジタブルタンニン鞣しの革は、育てていくおもしろさがあります。同じ革で作った財布でも、パンツのポケットに入れて使っていると光沢が出て味わいが深まり、バッグの中に入れて持つときれいな状態を維持できる。使う人の生活スタイルに合わせて変化するので、表情は人それぞれ。すべて均一ではないのが、革のおもしろさなんです」

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どちらも佐藤さんの私物。写真上のウォレットは10年ほど使い込んだもの。アンカー(錨)をモチーフにしたフランスのヴィンテージボタンをアクセントに。下はシャグポーチ(手巻きタバコ入れ)で3年ほど使用。

留め具にはイギリスやフランスのヴィンテージボタンやジッパーを加えて、一点ものに仕上げる。なかには50年代から60年代のジャケットの袖に付けられた犬や狼、鹿など動物モチーフのボタンや、フランス海軍を表すアンカー(錨)モチーフのボタンなども。

「古着に夢中になった時期に、古い時代のボタンやジッパーに出合ったんです。もう一度このパーツを使ってあげたい、命を吹き込んで生まれ変わらせたいと思ったことが、革小物をつくり始めたきっかけです。同じものを探そうと思っても二度と手に入らない。革とともにゆっくりとエイジングが進んでいくのも魅力ですね」

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「古い時代のアメリカのボタンはフラットで、フランスやイギリスのボタンはボリュームがあり存在感のあるものが多い」と佐藤さん。ひとつひとつのパーツに歴史がある。

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アトリエの一角に何種類もの木槌が並ぶ。制作する時は、トントントンとリズミカルな音が響く。アイテムが完成した際には2〜3日、目の届くところに置いて、縫製の美しさや使いやすさなどをさまざまな角度で確認してから、依頼主に手渡すという。

ギャレットワークスのロゴは、手縫い針と糸がコンセプト。店内にミシンはなく、木槌や針、糸などの道具が並ぶ。革にひとつひとつ穴をあけて糸を通し、すべて手縫いで仕上げるのも佐藤さんのこだわりだ。

「手縫いだとステッチに温かみが出るんです。ステッチを際立てたい時は、あえて太い糸を使い凹凸を付けるなど、ミシンではできないこともある。ミシンを使って量産してみたら、と言われることもありますが、お互いの顔を知り、自分で革をカットして手で縫ってつくり、渡したい。そのほうが長く愛着を持って使ってもらえるかなと、思っています」

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約1cmもの厚い革を使った置き時計には、針と糸を表現したギャレットワークスのロゴを刻印。佐藤さんの昔なじみのデザイナーがつくってくれたもので、タイポグラフィの権威ある賞を受賞した。革の置き時計は、店舗のオープン祝いとしてオーダーを受けることも。

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糸と針を使ったハンドステッチ。佐藤さんは「その人を知れば知るほど、ステッチの太さやボタンの種類などを選びやすい」と語り、ひとつひとつのステッチに思いを込める。

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使う人そのものを物語る、革小物を目指して。

佐藤さんと革との出合いは、古着がきっかけだった。

「前職のヨウジヤマモトで働いていた時に、ヴィンテージウエアに夢中になりました。どんなブランドのコレクションも元をたどれば、原点はヴィンテージウエア。素材やデザインをアレンジして発表しています。本物はどんなものなのか見てみたいと思ったんです」

なかでも1920年代から70年代のレザージャケットに惹かれた。店内には、建築家のル・コルビュジエも愛用していたという、趣のあるレザーコートも掛けられている。

「経年変化がすごくかっこいいんです。見た目だけではなく、古いものを手入れし使い続けて、自分のものにしていく、そういう物との付き合い方に共感しました。デザイナーの山本耀司さんに教えてもらったのは、“身に着けるものは、その人そのもの”だということ。たとえばこの1940年代のブーツは、壊れたジッパーに手を入れソールも替えていますが、革は生きている。いま僕が作っている革小物もずっと生き続けて、使う人に長く寄り添うものになってほしいと思います」

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アメリカの昔のフライトジャケットが掛けられた店内。ファッションの知識を生かし、1900年代前半のサックジャケットをモチーフにしたカットソー素材のスリーピースなども制作。店内奥にはカウンターがあり夜はバーに。前職からの友人をはじめ、佐藤さんを慕うさまざまなゲストが集まる。

ギャレットワークス GARRET WORKS
東京都大田区北千束1-67-7
営)14時~24時 (月~土)
休)日
https://garretworks.handcrafted.jp/
Instagram: @ garret_works

* 日本タンナーズ協会公式ウェブサイト「革きゅん」より転載

天然皮革の魅力を発信する「革きゅん」サイトをチェック!

photography: Midori Yamashita text: Maki Shibata

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