ライター栗山愛以によるパリコレ日記第2弾! 2022/23年AWシーズンも、引き続き東京から遠隔でコレクション取材を続ける栗山が、マニアックな視点で気になる最新トレンドを綴る。
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2022/23 AW PARIS COLLECTION
DAY 2
Chloé
#1
#37
#38
積極的にサステナビリティに取り組むクロエが注目したのは、生態系を回復させるための「Rewilding(再野生化)」。森林火災、氷河の融解、日照りといった気候災害に警笛を鳴らすイラストを服やニット、アクセサリーに描くなど、今季も多くのことを試みている。自然の中で素朴に暮らすことを選択するアッシジのフランチェスコの映画『ブラザー・サン シスター・ムーン』(1973)も着想源になったという。
トップを飾ったバイカーコートをはじめ、レザーが多用されていてパワフルさもあった。持続可能な皮革産業を推進することを目的としているLeather Working Groupの協力を得たようだ。とくにブラックレザーのアウター、今季本当によく見る。
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LOEWE
#5
#25
#44
先シーズンは「マニエリスム」と評されるイタリアの画家、ヤコポ・ダ・ポントルモを着想源としたロエベ。抽象的なフォルムやメタルプレート、ドレープなどを用いて非現実的なムードを漂わせていたが、今季も引き続きシュール。会場にはこれまでもコラボしているイギリスのアーティスト、アンセア・ハミルトンによる巨大なカボチャの作品などを展示し、服には車やバルーン、唇、ハイヒールなどが埋め込まれた。マニエリスムやシュルレアリスムといった不条理な表現は不安な世の中に生まれている。コロナ禍にウクライナ危機が続き、まだまだ平穏な日々はやって来ないということなのか……
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MARINE SERRE
#13
#22
#28
マレ地区にあるラファイエット・アンティシパシオンで開催された、マリーン・セルの世界観を紹介する展覧会の会場でショーが行われた。ここでは私物を持っていけばムーンロゴを施してくれるポップアップストアなどもあったよう。いいなあ、行きたかった。
「Hard Drive」と名付けられたコレクションにはいくつかのパートがあったのだが、個人的に気になったのはタータンチェックや千鳥格子、アランニットなどが用いられていたパンキッシュなシリーズとTシャツをパッチワークしたりした1990年代クラブキッズ的スタイル。ド派手なヘアメイクにも惹かれた。そういえば今季は濃いメイクが目立つような。もちろんいつものように古着を生まれ変わらせるものづくりを貫いている。
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text: Itoi Kuriyama photos:imaxtree(Chloé,Loewe) Matt(Marine Serre)