大島優子、舞台挨拶の5分前。
Fashion 2022.05.02
素顔の彼女から、女優の彼女へ。大舞台に上がるその時に向けて高揚感あふれるドレス、時にはスカートが、背中をそっと後押ししてくれる。
Yuko Oshima
2022年夏コレクションのプレゼンテーションで、フランス女優イザベル・ユペールが着用して話題になったニットドレス。首元には、動物の尻尾のような愛らしさすらあるフェイクファーのスカーフをぐるりと巻いて。「一見シンプルにまとまりがちな黒だけのスタイルですが、このスカーフが遊びと動きをもたらしてくれますね」。そう語ると、大島優子本人も愛くるしく笑った。ブラックドレスはいつだって、着る人を引き立ててくれる特別な存在。
ドレス¥225,500、スカーフ¥160,600/ともにバレンシアガ(バレンシアガ クライアントサービス)
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おしゃれで最も大切にしているのがTPO。その次が気分。
「袖にあしらわれたフェザー、そして赤という色が高揚感を与えてくれます」。ブランド創設100周年を迎え、その祝賀とグッチの伝統にオマージュを捧げた「グッチ アリア」コレクションから。その特別なコレクションにおいてアレッサンドロ・ミケーレは、インスピレーション源にトム・フォード時代のグッチを掲げている。ドラマティックなフェザーは、まさに当時のグッチを象徴するモチーフのひとつ。また目を奪われるような美しい赤も、彼が好んで用いていた色だった。
ニット¥258,500、スカート¥154,000/ともにグッチ(グッチ ジャパン)
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「“時”のル・グラン・バル(仮面舞踏会)への招待状」と題し、現在と過去、クチュールとカジュアル、昼と夜など、相反する要素を対峙させた今季。「実はジャケットの後ろ部分が、燕尾服のように長くなっていて。女性らしさと男性らしさが共存していて、最高にかっこいい」。ブラックドレスにテイルコート風のジャケットを羽織りながらも、リアリティあふれるムードに。
ジャケット¥1,254,000、ドレス¥752,400(ともに一部仕様変更あり)、中に着たタンクトップ¥142,120(すべて予定価格)/以上ルイ・ヴィトン(ルイ・ヴィトン クライアントサービス)
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舞台挨拶への準備は、いつもドレスを選ぶことから始めます。
「ブルーの透け感あるオーガンジーが、まるでフェアリーみたい。お気に入りの一着です」。その美しいカラーパレットは、ジョルジオ・アルマーニが愛してやまないイタリアの夏の海をイメージしたもの。重なり合うブルーは、儚げで、刹那的で、きらきらと輝く水面のよう。ポップなベルトでウエストマークし、クチュールライクなドレスをあえて都会的にアップデートして見せた。
ドレス¥550,000、パンツ¥168,300(予定価格)、ベルト¥51,700/以上ジョルジオ アルマーニ(ジョルジオ アルマーニ ジャパン) ブラトップ/スタイリスト私物
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緊張感のある服やハイヒールは、女性ならではの喜びです。
ダイナミズムとロマンス。ブランド創始者のジャンヌ・ランバンがかつてそうしたように、女性心理のさまざまな側面を描き出した2022年春夏シーズン。「中に着たセットアップは見た目に反して着心地がよく、普段使いしたいくらい。そこにケープを羽織るコントラストがたまりません」。ロングドレスさながらの長いケープの中に、チャーミングなデイジー柄をしのばせて。
ケープ¥435,600、トップ¥180,400、ショートパンツ¥144,100/以上ランバン(コロネット) シューズ¥111,100/ジャンヴィト ロッシ(ジージーアール ジャパン)
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「いままで自分が抱いていたセリーヌのイメージを、いい意味で裏切ってくれたドレス。女性ならではのオフショルダーとミニ丈は、着るだけですっと背筋が伸びて、その緊張感から腰の位置が1cm上がったと感じるほど」。コンパクトなリトルブラックドレスは、胸元のラッフル、そしてウエストからヒップにかけてあしらわれたギャザーが目を引く。セクシーでありながら、コレクションが発表された南仏ニースの太陽が似合うヘルシーさも兼ね備えている。
ドレス¥225,500(予定価格)/セリーヌ バイ エディ・スリマン(セリーヌ ジャパン)
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ファッションの力で、新しい自分を演じられる。
「写真では見えていないと思うのですが、実際のコーディネートでは、スカートの中にショートパンツも履きました。その隠れたアイテムもとても素敵で。秘めたレイヤードの妙さえもプラダらしいですね」。クチュールシルクのミニスカートとオーバーサイズのニットは、イブニングウエアの幻想とリアリティの対比。裾から流れるトレーンが、日常に非日常的なムードを与えてくれる。
ニット¥319,000、スカート¥236,500、ショーツ¥225,500、シューズ¥155,100(参考色、商品はブラックで展開)/以上プラダ(プラダ クライアントサービス)
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職人たちの手作業による装飾が、レザードレスに新たな息吹を与えた。「レースアップのディテールに緊張感と開放感、その両方を感じます。自分では普段選ばないスタイルなのでとても新鮮。新しい私を発見したみたい」。ガブリエラ・ハーストの新生クロエはサステイナブルな素材を使用しているのが特徴。合わせたパンツも、コットンよりも環境負荷が低いというリネンを採用している。
ドレス¥575,300、パンツ¥174,900、バングル(右手)¥104,500、(左手)¥61,600(ともに予定価格)/以上クロエ(クロエ カスタマーリレーションズ)
1988年生まれ。主な出演作に映画『紙の月』(2014年)、『ロマンス』(15年)、『生きちゃった』(20年)、連続テレビ小説「スカーレット」、ドラマ「東京タラレバ娘」「七人の秘書」など。昨年は大河ドラマ「青天を衝け」で渋沢栄一の後妻・渋沢兼子を演じ話題になった。今春は映画『女子高生に殺されたい』、『とんび』が公開を控える。
バレンシアガ クライアントサービス
0120-992-136(フリーダイヤル)
グッチ ジャパン クライアントサービス
0120-99-2177(フリーダイヤル)
ルイ・ヴィトン クライアントサービス
0120-00-1854(フリーダイヤル)
ジョルジオ アルマーニ ジャパン
tel:03-6274-7070
コロネット(ランバン)
tel:03-5216-6518
ジージーアール ジャパン
tel:03-3403-5564
セリーヌ ジャパン
clientservice.jp@celine.com
プラダ クライアントサービス
0120-45-1913(フリーダイヤル)
クロエ カスタマーリレーションズ
tel:03-4335-1750
*「フィガロジャポン」2022年4月号より抜粋
photography: Takashi Homma styling: Chiharu Dodo hair & makeup: Momiji Saito (eek)