未来への回帰、新たな時空の幕を開けたディオールのショー。
Fashion 2022.05.03
春夏シーンズも落ち着きを見せたこの頃。次のシーズンに向けて、最新コレクションを振り返ろう。
ディオールは秋冬 2022-2023 コレクションでヘリテージと未来のテクノロジーを融合したクリエイションを発表した。
パリ・ファッションウィークでのディオール2022−23秋冬コレクション。Imaxtree
Le décor. (舞台装置)これまでも女性アーティストを起用してきたディオールのアーティスティックディレクター、マリア・グラツィア・キウリ。彼女が今シーズンのショーの舞台美術を一任したのは、マルチメディアアーティストのマリエラ・ベティネスキ。チュイルリー公園に設置された巨大な仮設ブロックが「The Next Era」と名付けられた今回のアートインスタレーションのショーケースとなった。会場の四方の壁は、目元が切り取られ、二重になったモノクロの女性の肖像画で埋め尽くされている。マリア・グラツィア・キウリの狙いは、新しい視点から歴史を見ること。また、過去や未来、時間についての思索でもあり、コレクションの最初のシルエットにさっそく反映されている。
L'allure. (ルック)ディオールのショーは未確認ファッション物体の登場で幕を開けた。発光する生き物が暗闇を前進する。冒頭のこのシーンがショーの方向性を告げていた。22-23年秋冬コレクションの核心はイノベーション。シースルーのチュールドレスや、グレーと黒の「バー」ジャケットのようなメゾンのアイコニックなアイテムを参照しながら、フラッシーな未来的ディテールを融合させたルックは、さまざまな時代やスタイルの架け橋という新時代のあり方を象徴する。50年代風のシルエットにおいては、高機能素材を使用した、あるいはロマンティックなムードのコルセットが、甲冑を纏った征服者のような女性像を表現する。アイコン的存在である「バー」ジャケットはD-Air labの技術を取り入れ、ハイテクアイテムに生まれ変わった。生地にはもともと極限環境で仕事をする人たちのために開発された保温システムが備わっている。ディオールの未来がいまから姿を現し始めている。
Le front row. (フロントロウ)妊娠中でお腹がふっくらしたリアナ、イザベル・アジャーニ、ルアンヌ……。ショーの最前列にはセレブが勢ぞろい。しかし話題を集めたのは何といってもジス。インスタグラムに5700万人のフォロワーを持つK-Popのスターを一目見ようとチュイルリー公園に人だかりができた。
Le détail. (ディテール)快適さを追求するマリア・グラツィア・キウリのディオールレディは足元はフラットが基本。今回は定番のバレエシューズのかわりに、未来的なパンプスを提案。ロジェ・ヴィヴィエによるデザインの象徴的なパンプスを再解釈し、テクニカルなソックスをプラスしてアナクロ・シックな足元を演出。
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パリ・ファッションウィーク、ディオールのショーを訪れたスターたち。
Rihanna
Getty images
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Maya Hawke
Getty Images
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Ashley Park
Getty Images
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Romee Strijd
Getty Images
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Toni Garrn
Getty Images
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Maria Sharapova
Getty Images
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Alexa Chung
Getty Images
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Louane
Abaca
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Isabelle Adjani
Abaca
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Anya Taylor-Joy
Abaca
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Chiara Ferragni
Abaca
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Iris Law
Abaca
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Gugu Mbatha-Raw
Abaca
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Mathilde Warnier
Abaca
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Nicole Garcia
Abaca
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Louise Bourgoin
Abaca
text: Mitia Bernetel (madame.lefigaro.fr)