スタイリスト丸山佑香の、目指せ! シャツ完全攻略。
Fashion 2022.12.14
ワードローブの定番であり、選ぶデザインと着こなしひとつで、その人の個性がまざまざと表れるシャツ。日頃からシャツを愛する丸山佑香による着こなし教室、いざ開講。
大人の女性だからこそ、シャツを選ぶ。
ブルーのシャツ¥64,900/マリア マクマヌス(アパルトモン 青山店)ストライプのシャツ/スタイリスト私物
「ブラウスは着ないけどシャツは着る」と語る丸山。諸説あるが、ブラウスは上流階級の女性向けの一枚着として作られたと言われているのに対し、シャツは男性用の肌着だったとか。ボタンの合わせが異なるのも単に性別によるものではなく、他者が着せ付けするか自身で着るかによる。そんな歴史や背景含め自身で着るかによる。そんな歴史や背景含め、メンズウエアを愛する彼女の琴線に触れるのは必然なのかもしれない。
「以前は丸襟やフリルがあしらわれたブラウスを着ることもあったけど、トレンドが表れるぶん、その時限りになることが多くて。年齢を重ねるとブラウス特有の身体のラインが出やすい繊細な素材を避けるようになったのも理由のひとつ。長年着られるシャツこそ、いまの自分の感覚にフィットします。今季は多くのブランドがランウェイで“シャツ”を発表したので、個人的にもうれしい限り」
理想とするのはパリジェンヌの着こなしだ。
「フランスを訪れると、一枚でサラッと着ている人をよく見かけるんです。ソフィア・コッポラのシャツにスリムパンツ、カルティエの時計、バレエシューズを合わせた究極のシンプルスタイルが最たる例。年を重ねる中で自分の身体に合う本当に良いものを知ったからこそ成立する。私もそんな着こなしが似合う女性になりたいです」
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1. いま買うべきは、マリア マクマヌスの一着。
「いまいちばん気に入っているシャツは2020年秋冬にデビューしたニューヨークブランド、マリア マクマヌスのもの。右ページに写るピンクストライプの一着もこのブランドです。ベーシックなボックス型でありながら、後ろ身頃がゆるやかに広がるラインと、ワイドカフスのデザインに確かな女性らしさを感じます。タックインでもアウトでも、ボタンを全部留めてもさまになるシャツって、ウィメンズでは実は少なくて」
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2. クリアフレームの眼鏡で、優等生ルックをモードに昇華
「シャツと眼鏡のマッチングはご存知のとおりですが、ストレートな組み合わせだと優等生になっちゃう。そこでマットな生地のシャツとクリアフレームの眼鏡を選び、質感でメリハリを利かせました。ボタンも上まで留めて、肌の分量を抑えるのも忘れずに」。
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3. トーンオントーンで、 フォーマルを日常に。
「身近でいて難しいシャツ×ジャケットのコーディネート。それを日常に落とし込む時のお手本にしたいのはアニー・ホール。肌なじみの良いベージュ系のシャツにブラウンのジャケットを合わせ、全体を柔らかいトーンで統一することで、こなれ感が生まれます」。
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4. 簡単だけど意外!?な、柄シャツレイヤード。
「普段当たり前に着ているシャツも、重ねるだけで新鮮な表情に早変わり。ストライプとギンガムのようなスタンダードな柄物を選べば、意外にもすんなりまとまります。一見ハードルは高いけどその効果は想像以上。ぜひトライして」。
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5. 目的によって使い分ける、ネックレスとのベストバランス。
「レディライクにするならボタンを開けた襟の中、マニッシュにするなら襟の外に着けること。比翼タイプを選べば、ボタンとネックレスが喧嘩せず美しく収まります」。
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6. ランジェリー風トップのインは、大人の女性のためのアレンジ。
「シャツを羽織るアプローチは一般的だけど、多くの場合インナーをカットソーにしてしまいカジュアルになりがち。シックな女性像を目指すなら、思い切ってランジェリーライクなトップをチョイスして。大人の女性にしかできない、とびきりセンシュアルなスタイルだと思います」。
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7. 袖のロールアップで、ニットからチラ見せ。
「私自身も頻繁に実践するテクニック。ニットの袖にカフスを巻き込むようにくるくる。袖口が固定されるリブニットだからこそできるアレンジで、ロールアップをひと工夫するだけでアクセントが添えられます」。
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8. 最も身近で最も難しい、白シャツのコーディネート術。
「まずは、女性の特権である肌感を演出してくれるスキッパータイプ。シャツそのものに色気があるから、トラックパンツとトランクスを合わせてとことんメンズライクに」。
「シンプルなものだと冠婚葬祭用に見えてしまう……」。誰しもが一枚は持っているにもかかわらずコーディネートが難しいのが白シャツです。攻略の秘訣は個性的なデザインを選ぶこと」。
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9. ビッグサイズで着るなら、メンズブランドから探す。
「一言でビッグサイズといっても、そのためにデザインされたウィメンズシャツと男性向けに設計されたシャツは似て非なるもの。メンズのシャツはワタリ幅含めすべてが大きいから、狙いすぎない自然な落ち感と抜け感が楽しめます。普段はセオリーに反する洗いざらしもメンズアイテムなら許される気が。今回使用したのは、男性の間で人気のマービンポンティアックシャツメーカーズの一着。古着のような生地感で、すべてのシャツがワンサイズ展開。そんなラフさが大好きです」。
トップはメンズ、ボトムスはウィメンズを合わせるのがマイスタイル。それゆえシャツもメンズブランドから積極的に取り入れる。77ページで撮影したシャツをさっそく購入した。
@yuukamaruyama
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*「フィガロジャポン」2022年11月号より抜粋
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