いつか、ヒーローになる日を夢見て。 映画のヒロインやアーティスト、私のおしゃれアイコン。

スタイリストが憧れる、彼女たちのヒーロー。敬愛してやまないアイコンから着想を得たスタイル提案とともに、心惹かれた理由とその想いを語ります。

Frances Halladay｜グレタ・ガーウィグ演じる『フランシス・ハ』のフランシス

真逆だからこそ惹かれる、不器用で愛おしい彼女。

「私はどちらかというと慎重に行動するタイプなので、グレタ・ガーウィグ演じるフランシスのようなしなやかで自由な生き方に憧れます。作中の彼女の装いにもそのパーソナリティが表れていて、あり合わせの服を着ているような適当さがある反面、絶妙なバランス感を保っている。モノクロ映画なので色彩を想像しつつ、個性の異なるアイテムをレイヤードし、決まりすぎないスタイリングを意識しました」

シャツ￥51,700/アワー レガシー（エドストローム オフィス）　花柄ワンピース￥101,200/ロク（リステア）　インしたマルチボーダートップ￥50,600/ヤンヤン、ソックス￥2,750/ブルー フォレ、ローファー￥58,300/シーバイクロエ（以上RHC ロンハーマン）　ショーツ￥17,050/シモーネ ワイルド（フィルグ ショールーム）　フープピアス￥49,500、ネックレス￥99,000/ともにプリーク（エイチ ビューティ&ユース）　クロワッサンバッグ￥188,000/ルメール（スクワット/ルメール）

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Joan Didion｜1970年代のジョーン・ディディオン

70年代のアメリカに生きた、カウンターカルチャーの文筆家。

「1970年代の彼女に一目惚れしました。上質な服をサラッと着こなしたシックなスタイルが彼女の基本。私もこんなふうに年を重ねたいと憧れます。残念ながら昨年亡くなったのですが、若かりし頃の彼女が現代を生きたならと、妄想してコーディネートを組みました。素材にこだわり、ケープジャケットで彼女らしいひねりとモダンなエッセンスを加えています」

ジャケット￥308,000/ニナ リッチ(イザ）　カシミアカーディガン￥69,300、カシミアモックネックセーター￥60,500/ともにヴィンス（コロネット）　ワイドパンツ￥63,800/カナコ サカイ　サングラス￥33,000/ロバート・ラ・ロッシュ ビンテージ（グローブスペックス ストア）　スカーフ￥18,700/ベンビエン（スティーブン アラン シンジュク）　グローブ￥14,300/ガラ グローブ（ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店）　ハンドルバッグ￥213,400/ジミー チュウ　ローファー￥126,500/ジェイエムウエストン（ジェイエムウエストン 青山店）

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Sandra Bloom｜『ビッグ・フィッシュ』のサンドラ・ブルーム

ブルーのドレスを纏った、可憐な女性像。

「ティム・バートンが作り出したサンドラが私にとってのヒーロー。出会い、プロポーズ、浴室……好きなシーンを挙げるとキリがないけれど、どの場面もブルーの服が印象的に使われています。この色は、私が昔から無意識に手に取るカラーでもあります。ライトブルーのドレスとイエローの花畑のコントラストが美しいプロポーズのシーンを、スタイリングで再現しました。作品のファンタジー要素や、サンドラの可憐な一面をチュールのオーバーガウンで表現。一面に咲いた水仙のイエローをバッグに落とし込みました」

ワンピース￥165,000、フラワーピアス￥69,300、カゴバッグ￥71,500/以上パトゥ（イザ）　チュールワンショルダーオーバーガウン￥88,000/マージ　ブレスレット￥69,300/スワロフスキー・ジュエリー（スワロフスキー・ジャパン）　オペラシューズ￥97,900/ジミー チュウ

＊「フィガロジャポン」2022年10月号より抜粋