30年後も愛せる時計と出合う 長く愛する時計の選び方&使い方。

Fashion 2023.01.02

時計を買うのなら、理想の一本とずっと付き合っていきたいもの。選ぶ際のポイントやその後の日々のケア方法など、時計にまつわる5つのティップスを紹介する。

選ぶ時にはサイズ感が重要。

時計は、見た目の美しさも大事だが、あくまでもツールとしての使いやすさも重要。高額出費した大切な逸品を長くきれいに保つのに絶対に欠かせないのは、適正サイズを選ぶこと。昔は細身の日本人女性の腕時計のボーダーラインは30mmといわれていたが、機械式ムーブメント搭載だとサイズは大きくなり、女性の機械式時計が一般化してきたいま、以前よりもわずかに大きめサイズが流行になっている。サイズ感がはまらないと、時計に傷がつきやすくなってしまうが、少し大きめでも、ケースの縦のラインが腕から飛び出さず、ラグが浮かず、腕におさまりの良いものを選べばよい。フィット感を確かめるためにも、店舗で試着するのがおすすめ。

機械式時計とクオーツの違いを知る。

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熟練の職人が集う、パテック フィリップのジュネーブ本社工房。
画像提供:パテック フィリップ

巻き上げたゼンマイをほどく力を動力源とする機械式時計は、多くのパーツを組みあげて製作される。クオーツは電気を動力源とし、水晶振動子を調速に用いる。時を示す精度はクオーツが正確だが、機械式時計製作において各メーカーが高精度を追求してきた背景や、機械式は昔の時計でも修理可能な場合が多く、何世代にもわたって使える可能性もあるので、両者の違いを選ぶ際の参考として覚えておこう。上の写真はパテック フィリップのアトリエ。目と手元が近くなるように作業机がとても高い。機械式にも定評があるようなメーカーや、マニファクチュールと呼ばれる自社で修理機能が万全なメーカーは、時が経っても部品を持っているため応用が利く。

機械式時計を使う時の注意点。

日常生活で意外に見落としがちなのが“磁気”。磁気の影響を受ける「磁気帯び」は時計の精度を狂わせてしまう可能性も。昨今は耐磁性に配慮した時計も多いものの、バッグのマグネットやパソコン、携帯電話の横に時計を置くことは避けたほうが良い。また、防水性においても日常生活防水(3気圧防水)などは洗顔や雨程度しか防げない。生活スタイルによっては5気圧防水や10気圧防水などの時計を選ぶことがおすすめ。アンティークウォッチは非防水が多く、磁気の影響を受けやすいので、特に注意が必要。

時計のメンテナンス方法。

腕時計でよくいわれるオーバーホールとは、機械式時計を分解し清掃・注油・調整を行うこと、時計が正常に動くようにメンテナンスすることだ。技術の進化に伴い、10年に1度のオーバーホールで十分なことを謳っているブランドもあるが、通常は3年に1回のオーバーホールがおすすめ。また、最近は無料で修理・調整が可能な“保証期間”を従来の2年程度から延長しているブランドも多くある。ちなみにクオーツもメンテナンスが必要だ。

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ケアを怠らないことで、時計はこの先何世代にもわたって輝き続ける。
画像提供:オメガ

季節によってストラップを替える。

長持ちさせるには、まず家に帰ったらレザーストラップや時計の裏蓋を拭くこと。汗や指紋などをマイクロファイバークロスで優しく取り除くのがおすすめだ。レザーは夏場は汗などで劣化しやすいので、その時期はあえてメタルブレスレットの時計を着けるのも選択肢のひとつ。最近はブレスレットとレザーストラップを簡単に自分で替えることができるチェンジャブルストラップの時計が出ているので、そうした仕様の一本を選ぶのもおすすめ。

*「フィガロジャポン」2023年1月号より抜粋

text: Aki Nogami editing: Kenichiro Tatewaki

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