30年後も愛せる時計と出合う ジュエリーウォッチの可能性。

Fashion 2023.01.03

いま時計業界は、レディスウォッチへの注目度が高まっている。なかでも、腕時計とブレスレットの境界があいまいな、きらびやかな宝飾時計が続々と登場。石の美しさと時計の機能のサヴォワールフェールが共存する、最先端のジュエリーウォッチがここに。

Dior

ストーン文字盤が叶える、ジュエリーの装い。

ディオール タイムピーシズ ジェム ディオール

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時計とジュエリーが織りなす見事な共演のひとつが、ジェムストーンを用いた文字盤だ。アラゴナイトをスライスし、文字盤へと用いた意匠はディオールが得意とするもの。宝石を意味する“ジェム(Gem)”とフランス語の“愛する(J’aime)”というふたつの意味を併せ持つ時計は、まさに時を刻む宝石、とも呼びたくなるほどの美しさ。かつ目を奪うのが、八角形のケースとコマをずらしたブレスレットのデザイン。前者はトルマリンの原石をスライスしたフォルムから、後者はオートクチュールのドレスに使用する生地のピン留めからインスパイアされた。カーネリアンやタイガーアイを用いた独創的な色合わせにも、ディオールのサヴォワールフェールと尽きぬ宝石愛が宿る。

2022年の最新作。グラフィカルな多角形のデザインに、アラゴナイトを基調とした淡いピンクのカラーリングがやさしげな趣を添える。(PG×ダイヤモンド×アラゴナイト×カーネリアン×タイガーアイ、φ27mm、クオーツ)¥10,000,000/クリスチャン ディオール

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Breguet

現代に蘇る王妃のタイムピース。

ブレゲ クイーン・オブ・ネイプルズ 8928

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ブレゲの「クイーン・オブ・ネイプルズ」は、創業者アブラアン-ルイ・ブレゲの顧客のひとりであった、ナポリ王妃カロリーヌ・デュ・ミュラの逸話から誕生したコレクション。クロックや腕時計など、計34個もの時計をミュラがブレゲに依頼した記録が顧客台帳に残されており、この時計は、1812年にミュラのもとに届けられたという世界初のブレスレットウォッチから発想した。時計は現存せず詳細は謎のままであるが、ブレゲは当時の台帳を遡り、このデザインを考案。特徴的な卵形のフォルムや放射線状に延びるグラフィカルなインデックス、4時位置のリュウズなど、クラシカルな中にもモダニズム漂う、気品あふれるスタイルを完成させた。

ボール型アタッチメントに配されたのはリボンのようなチェーンブレスレット。ダイヤモンドを散りばめて宝飾の美を追求しつつ、最先端のムーブメントを積んだ機能性も申し分なし。(WG×ダイヤモンド×MOP、33×24.95mm、自動巻き)¥8,492,000/ブレゲ ブティック銀座

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Jaeger-LeCoultre

ダイヤモンドの輝きが包む、流れ星のムービング。

ジャガー・ルクルト ダズリング・ランデヴー・スター

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時計に用いられる基本的なジェムセッティングは、地金を彫り起こして作った爪で石を留める“彫り留め”という技法。実用的な道具である時計ゆえの耐久性を求めるために施されてきた意匠だが、昨今はダイヤモンドが光を取り込み、さらに輝くジュエリー同様の爪留めも取り入れられるようになってきた。この時計もまた、ジャガー・ルクルトが“グリフセッティング”と呼ぶ4つの爪で石を留める手法を採用したもの。大小異なる宝石を2列に配することで、時計はさらに重層的な輝きを放つようになった。そしてこのモデルの最たる特徴は、文字盤上部に流れ星がランダムかつ突然現れるという驚きの機構。天空のロマンを描く神秘的な動きが見る者の目を奪うことだろう。

4年をかけて開発された“シューティング・スター”機構の新ムーブメント搭載。魅惑的な流れ星の現象を再現した。リュウズでオンデマンド操作も可能。(PG×ダイヤモンド×アベンチュリン×アリゲーターストラップ、φ36mm、自動巻き)¥12,144,000/ジャガー・ルクルト

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Bvlgari

カクテルウォッチに宿る、カラーストーンの美学。

ブルガリ ディーヴァ ドリーム

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ローマのカラカラ浴場を彩るモザイク装飾からインスパイアされた「ディーヴァ」の扇形をケース外周に配したカクテルウォッチ。ジュエリーでも愛されてきたモチーフが時計の文字盤を取り囲む。この時計を彩るのは、1950年代から色石を主役にしたクリエイションを展開してきたブルガリならではの見事なカラーリング。色彩の魔術師とも謳われるブルガリは、カラーストーンと歩んだその歩みから“カラートレジャー”というテーマを掲げ、カボションカットなどを用いた斬新かつ色彩豊かなピースを展開してきた。マラカイトとピンクトルマリンが織りなす躍動感あふれるコンビネーション、モチーフの繊細なセッティングにハイジュエラーの手腕を感じる。

鮮やかに咲き誇る一輪の花を連想させるようなジュエリーモデル。グリーンのストラップを配したカラーリングも美しい。(PG×マラカイト×ピンクトルマリン×ダイヤモンド×MOP×アリゲーターストラップ、φ33mm、クオーツ)¥5,467,000/ブルガリ ジャパン

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Chopard

組み合わせでさらに増す、ダイヤモンドの幸せな輝き。

ショパール ハッピーダイヤモンド ジョワイアリー

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ショパールは懐中時計に始まり、1963年からはジュエリーの分野でも活躍してきたブランドだ。現在、共同社長兼アーティスティック・ディレクター、キャロライン・ショイフレがジュエリーとレディスウォッチのデザインを手がけているが、この「ハッピーダイヤモンド」はキャロラインが最も愛するシリーズのひとつ。2枚のクリスタルサファイアの間で動くムービングダイヤモンドの舞うような輝きに加えて、ベゼルに爪留めのプロングセッティングを施すことで、あふれるほどの光を導くこととなった。輝くブレスレットの装いを楽しめる時計は、ファッションの延長としてリングやネックレスとセットでコーディネートできるという点も醍醐味。

見る人の目を楽しませる揺らめくムービングダイヤモンドの輝きに加えて、文字盤には太陽光のような放射線を描く、ギョーシェ装飾のマザーオブパールが施されている。(RG×ダイヤモンド× MOP、φ 36mm、クオーツ)¥8,888,000/ショパール ジャパン プレス

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Piaget

夜空の煌めきに包まれたブレスレットウォッチ。

ピアジェ ライムライト ガラ

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時計の文字盤を飾る装飾としていま多大なる人気を博している素材が、アベンチュリンガラスだ。その昔、ガラス職人が銅の粉末を溶けたガラスに偶然落としたことから誕生したという逸話が語るように、酸化銅の粉末を練り込んだガラスが見せる、まるで夜空のような煌めきを魅力とする。非対称のラグと流麗なラインが美しいピアジェの「ライムライト ガラ」の文字盤を彩るのがアベンチュリンガラス。幻想的な煌めきが、手元に高貴な印象を与える時計でもある。さらに秀逸なのが、熟練の職人たちが製作に8時間以上をかけた、手作業による仕上げのミラネーゼブレスレット。優れた金細工の歴史を持つピアジェならではの美しさとしなやかさを誇る。

セカンドスキンのようになめらかな肌触りのブレスレットモデル。深く輝くアベンチュリンガラスを計62個のダイヤモンドが囲むルックスは、まるで幻想的な夜空のよう。(WG×ダイヤモンド×アベンチュリンガラス、φ32mm、自動巻き)¥6,600,000/ピアジェ コンタクトセンター

●問い合わせ先:
クリスチャン ディオール
0120-02-1947(フリーダイヤル)

ブレゲ ブティック銀座
tel: 03-6254-7211

ジャガー・ルクルト
0120-79-1833(フリーダイヤル)

ブルガリ ジャパン
tel: 03-6362-0100

ショパール ジャパン プレス
tel: 03-5524-8922

ピアジェ コンタクトセンター
0120-73-1874(フリーダイヤル)

*「フィガロジャポン」2023年1月号より抜粋

text: Aki Nogami editing: Kenichiro Tatewaki

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