ハイブランドが集うレッドカーペットでラッパーが着たスポーツウェア、即座に完売!
Fashion 2023.01.14
全世界に店舗を展開するフランスのスポーツ用品チェーン、デカトロンがレッドカーペットで大ブレイク? 12月5日、ロンドンで開催されたブリティッシュ・ファッション・アワードに英国人ラッパー、セントラル・シーがデカトロンの服でレッドカーペットに登場すると、同ブランドのオンラインストアに注文が殺到した。
ウィー・ラブ・グリーンフェスティバルでのセントラル・シー。(ヴァンセンヌ、2022年6月5日) photography: Getty
「もしかしたらスタイリストを雇ったほうがいいのかな」とラッパーのセントラル・シーが12月6日、TikTokに投稿した動画で冗談まじりに呟いた。前の晩、24歳の人気ラッパーはデカトロンのアウトドアブランドであるケシュア(Quechua)のジャケットを着てブリティッシュ・ファッション・アワードのレッドカーペットに登場した。ハイブランドの服やファッション界の新進注目ブランドの服が並ぶイベントに、ウエストロンドン出身のラッパーは「いつもの服」で行くことにした、と動画で語っている。つまりはデカトロンの服でということだ。ケシュア(Quechua)のジャケットに加え、同じくデカトロンのランニングブランド、カレンジ(Kalenji)の帽子もかぶっていた。
Model of the Year https://t.co/wn45lTWSH8
— Decathlon (@Decathlon) December 6, 2022
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在庫切れ
「誰も問題視しなかったしね」とセントラル・シーはTikTokで感想を言っている。実際はと言えば、フランスでの販売価格が60ユーロのジャケットはブリティッシュ・ファッション・アワードの翌日、デカトロンのイギリス向けウェブサイトでほぼ全サイズが品切れになった。ラップの世界ではデカトロンが人気な証拠がまた一つ加わったとも言える。ケシュア(Quechua)のジャケットを最初に愛用したのはフランスのマルセイユ出身のラッパー、ジュルだ。彼には「ケシュア(Quechua)のジャケット」という曲まである(「Survêt', claquettes, veste Quechua, paire de Oakley dans l'RS3 」)。この曲がきっかけで、「おじさんむけ」とみなされていたデカトロンのイメージが一新し、若者を中心に人気が広まった。テレビ局「フランス3」のニュースによると、刑務所の受刑者の間で着やすくて手頃な服として広まったことが人気に拍車をかけたという。そしてこのブランドの影響力はますます強まっている。
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運動場からレッドカーペットへ
ラッパーのジュルが愛用するジャケット、カランジュール(Kalenjuul)はマルセイユのショッピングセンター「レ・テラス・デュ・ポール」のショップで販売の新記録を打ち立てた。同じくフランスのラッパー、SCHや彼のファンも同ブランドを愛用している。そして人気はいまやフランス国外にも広がっている。ヒップホップミュージックのサブジャンルであるドリルの英国ミュージシャンらもよく身につけており、デカトロンが50店舗を展開するイギリスでフリースや小物の売れ行きが好調だ。セントラル・シーはナイキやジャックムス、ド派手なシャネルのごついペンダントなども愛用するが、最新ビデオクリップ「レット・ゴー(Let go)」ではカレンジ(Kalenji)の帽子をかぶっていた。12月16日に公開されたこのビデオクリップは、YouTubeですでに550万ビューに達している。彼のおかげで一躍、有名ブランドと張り合う立場になったのはデカトロンにとって望外の喜びだかもしれない。イベントの翌日、同ブランドはツイッターにセントラル・シーの写真を載せ、「モデル・オブ・ザ・イヤー」と記した。デカトロンがファッションショーを開催する日も近いかも。
text: Mitia Bernetel (madame.lefigaro.fr)