アライアの2024年夏秋コレクション、主役はメリノウール。

Fashion 2024.02.16

パリ8区のマリニャン通りにあるフラッグシップショップ内で、1月23日にアライアの2024夏秋コレクションが発表された。2021年に偉大なるアズディン・アライアを後継したピーター・ミュリエにとって6シーズン目のコレクションとなる。

ショー開催の直前に彼は「これからご覧になるものは、すべて1本の糸から生み出されています」というメッセージを来場者にメールで届けた。全てがメリノウール糸をベースにしたもので、メゾンの40年来のパートナーである生地やニットのサプライヤーとともに、彼とチームはこのコレクションのために1年以上をかけて生地の開発に取り組んだことを語りながら。3回に分けて行われたショーでは、ブティックの天井に設えられた巨大なドーナツシェイプのマーク・ニューソンのランプ「ペロタ」のもと、曲線と輪の美に基づいた43ルックが発表された。

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ブティック内で行うショーは服、素材、ディテールを見るのに良い距離で、ピーターからのメッセージも理解しやすいという利点がある良いセレクションだったと言える。遠目にはスエードやフェイクファーに見えたコートも、モデルが目の前に来るとウールであることがわかる、というように。ワンピースとコートがひと続きという技の1点も、広いショー会場だったら見過ごされてしまうものだろう。最初の4ルックは"1本の糸"という表現を視覚化したようなつくりで、カーブを描く何連もの糸がモデルたちの身体の動きに合わせて優しく揺れていた。この4ルックに限らず、このコレクションの多くの服が微妙に肌を見せるデザイン。たとえばスカートの深いスリット、ジャケットの下にお腹が見えるショート丈、ビュスチエからスカートへと螺旋を描くようなカット......セクシーでもありセンシュルでもありという感じのバランスの良い肌の見せ具合である。かっちりとしたウールのコートは横から見ると、大きく袖が開いていて腕の素肌が顔を覗かせて。アコーディオンプリーツのワンピースやパンツは、その仕事と美しさが見るものの目を引きつける。シルエットもカットも素晴らしく、アイデアの出発点からゴールまで遊びも交えてテーマが見事に昇華されたコレクションだった。

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editing: Mariko Omura

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