ディオールと清原果耶、 反骨精神に宿るモダニズム。
Fashion 2023.09.20
エディット・ピアフ、カトリーヌ・ディオール、ジュリエット・グレコ。戦後間もない1950年代のパリを生き、自らの人生を切り開いた3人の女性にフォーカスした、ディオール2023/24秋冬コレクションを清原果耶があどけなさと洗練の狭間でドラマティックに着こなす。インタビューを交えたスペシャル動画もチェックして。
今回の撮影に際し、ディオールの最新コレクションを纏った清原果耶。「ディオールと過ごす時間は、とても贅沢なとき。どのルックもディテールが素晴らしく見惚れました。実は、10代の頃に初めて主演を務めた作品の舞台挨拶でディオールのドレスを着用させていただいたことがあったんです。それがすごく嬉しくて心に残っていたので、今回またご一緒させていただけて光栄です」と語った。
胸当てを彩るコサージュや、ムッシュ ディオールが選んだフローラルモチーフを抽象的にぼかしたスカートにミューズたちの反骨精神が漂う。一筋縄ではいかないフェミニニティを感じるルックは凛とした女性によく似合う。
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今コレクションのキーカラーのひとつである、黒。エレガントなアルパカ混の黒モヘアにパールボタンをあしらったカーディガンが、まどろみの時間を優しく包む。エディット・ピアフの曲「Les mots d'amour(愛の言葉)」をレタードしたTシャツを重ねて。
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旅を象徴する風配図、ムッシュ ディオールの幸運のシンボルであるスターモチーフ、彼が愛した薔薇の花。そして神秘的な月と太陽。メゾンが大切にしてきたエレメントを2連に重ねたロングネックレスが登場。
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「レディ D-ジョイ」に千鳥格子刺繍が仲間入り。グラフィカルな「ジェム ディオール」とのコンビなら格別の存在感を放つ。
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水彩画のようなエフェクトをかけたフローラル柄のフレアスカートは、メゾンのアイコンを再構築した今季のステートメントピース。鮮やかなレッドで彩られたドラマティックなルックが、50年代のパリを生きた女性たちのような奔放なマインドを後押ししてくれる。
「毎日ディオールを着たらとてもドラマティックな日々になるのだろうなと思いつつ、でもやっぱり特別な機会で着る素晴らしさみたいなものも教わりました」。
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鮮やかな色彩のモヘアのなかにチェック柄が浮き立つショート丈ニット。シルクコットン素材のミモレ丈スカートは、シワ加工を施したシネ織。柄と柄で遊びながらも、贅沢な静寂を感じさせるこんなスタイルに魅了される。
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1995年に誕生した「レディ ディオール」をモダンに再構築し、2022年に発表されたことから名付けられた「レディ 95.22」。卓越した職人技が光る、「カナージュ」の優美なデザインと使い勝手の良さを両立させたフォルムは現代を生き抜く女性にこそふさわしい。
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メゾンの原点である「バー」シルエットのジャケットとレディなスカートの組み合わせ。クラフトマンシップが冴え渡る繊細なビーズ刺繍とシワ加工がリュクスなムード。
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「オブリーク」ラインのコートを纏った手元には、新作トートバッグ「ディオール トゥジュール」を。ハンドルの長さが調節できたり、両サイドを引き出してフォルムチェンジできたりと、機能美が光る逸品。
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黒のアビエータージャケットとスリムなブラックタイを掛け合わせて。ジャケットには艶めくパテントラムスキンを使用し、クロコダイル風に仕上げた。袖口と、襟に施したシアリングが装いをエレガントに引き立てる。
創業当初から、人々をエンパワメントし続けてきたディオール。そんなスピリットが宿るルックを纏った清原に、どんな人物でいたいかを聞いた。「例えば今でも、音楽を流して陽気な気分になっていると気の巡りが良いいのを感じたり、自宅の植物が元気に育っていると、ああ、家の空気がいいんだなとしみじみ感じることがあります。そういった日々の小さなことに気付いて、集めることができる人でありたいです。気付けることが多ければ、もっと何かできて、もっと前にも進めると思うので意欲的に探しに行きたい。そうやって得たものを噛み砕いて、自分の中に取り込んでけば、自分らしい歩数で前進していけると思っています」。
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*「フィガロジャポン」2023年11月号より抜粋
photography: Hiroko Matsubara Videographer: Yuzuru Nakatani styling: Tomoko Iijima hair: Nori Takabayashi(Yard) makeup: Nobuko Maekawa(Perle)