「グッチ バンブー 1947」に焦点を当てた、グッチ日本上陸60周年記念展の見どころは?

Fashion 2024.08.07

グッチは日本上陸60周年を祝して、日本の伝統文化およびアートシーンとのクリエイティブな対話を深めるエキシビション「Bamboo 1947 : Then and Now バンブーが出会う日本の工芸と現代アート」を東京・銀座のグッチ銀座 ギャラリーにて開催中。

240806_gucci_bamboo_1.jpg

画家・横山奈美は、代表作「ネオン」シリーズを絵画の構図を保ったまま革用絵の具でバッグの表面に描いた。グリザイユ技法という古典技法を駆使し、自身の手法でアレンジすることで写真をプリントしたかと見紛うほどに細密な絵に仕上げている。  photography: Courtesy of Gucci

本展は、「グッチ バンブー 1947」のヴィンテージ ハンドバッグを用いて、日本を代表する伝統工芸作家とコンテンポラリーアーティストが創り上げた作品60点の展示とともに、このアイコンバッグの歴史を紹介するもの。

1947年にブランド創始者グッチオ・グッチの革新的な発想とグッチの職人たちの卓越したクラフツマンシップにより誕生したこのバッグは、現代に至るまで受け継がれ、つねにグッチのコレクションに欠かせない存在であり続けている。今回の展示では、グッチの専任アーキビストが厳選した1980年代から90年代のヴィンテージバッグと、日本の伝統工芸作家およびコンテンポラリーアーティストとのコラボレーションを軸に、ヴィンテージバッグをアップサイクルし、アートへと高めるという類のないプロジェクトを通じて、グッチのアーティスティックなビジョンを体現するとともに、グッチと日本の長きにわたる絆を讃える。

240806_gucci_bamboo_2.jpg

現代写真を代表する作品を撮り続けている写真家・森山大道の60年以上におよぶ写真人生で撮影された膨大な作品群から選りすぐられたイメージが、大胆にもバッグの表面いっぱいにUVプリントされている。森山が一貫してこだわり続ける騒々しい都市の雑踏、唇や網タイツ、妖艶な香りが漂ってくるような花など、吟味されたアイコニックな被写体たちはコントラストの強いモノクロと鮮やかなカラーで切り取られ鮮烈な印象を残す。 photography: Courtesy of Gucci

グッチ銀座 ギャラリーの6階は本展のプロローグとして、1960年代初期のアーカイブから現在のクリエイティブディレクター、サバト・デ・サルノによる新作まで約400点の「グッチ バンブー 1947」ハンドバッグが展示されたコーナーや、日本の伝統工芸とのコラボレーションによるアーカイブバッグを紹介。メイン会場となる7階では、サバト・デ・サルノがセレクトした日本の伝統工芸作家とコンテンポラリーアーティストがヴィンテージの「グッチ バンブー 1947」を唯一無二のアートピースへと昇華させた作品を展示する。人間国宝の彫金家・桂盛仁や写真家の森山大道をはじめとする各作家およびアーティストの作品にインスピレーションを得てデザインされた6つのコーナーで60点の「グッチ バンブー 1947」ハンドバッグが、ファッションとアート、カルチャーが交わる新たな次元で、そのタイムレスな魅力を放つ。

240806_gucci_bamboo_3.jpg

人間国宝に認定された彫金家の桂盛仁と彼の弟子である北東尚呼(あい・なおこ)は、それぞれが得意とする意匠に惜しみなく技術を注ぐことで、金属を用いた彫金という技法から多様なハンドルとクロージャーの表情を生み出した。金工で竹のフォルムを再現し、金属の配合や煮色によって引き出される多彩な色に打ち出しや象嵌による繊細な細工を施しているのが特徴。  photography: Courtesy of Gucci

また、これらの60点のスペシャルなバッグはアートピースとして販売され(価格は300万円台〜1,500万円台/税別)、新たな持ち主のもとで本物のクラフツマンシップとクリエイティビティに裏打ちされた物語を紡ぎ続ける。「グッチ バンブー 1947」の歴史と日本との縁、至高の職人技、アーティストの大胆な発想や独自の技法との融合が魅せるアイコンバッグの新たな領域を、ぜひ銀座で体験して。

---fadeinpager---

240806_gucci_bamboo_4.jpg

陶芸家の中里博恒は、佐賀県有田町に工房を構え、出身地である佐世保の伝統工芸・三川内焼を手仕事で作陶。今回のコラボレーションは手びねりで行い、試行錯誤しながら手に持った時のフィット感や竹の節の位置、節の数をいくつも試して完成させた。 photography: Courtesy of Gucci

240806_gucci_bamboo_5.jpg

中里による作品は、陶石を原料とする磁器の硬質さにより耐久性を併せ持つ、磁気性のハンドルとクロージャーを合わせた「グッチ バンブー 1947」ハンドバッグ。 photography: Courtesy of Gucci

---fadeinpager---

240806_gucci_bamboo_6.jpg

2024年に琉球漆器伝統工芸士に認定された塗師の渡慶次愛(とけし・あい)。本プロジェクトでは革の表面に漆を施し、自身の生まれ故郷である沖縄に古くから伝わる琉球漆器の技術や精神性を現代に変換するため、新たな表現にも挑戦。竹と漆の組み合わせによって日本人の奥底に眠る美意識を刺激し、沖縄の自然や歴史の豊かさをも伝えている。 photography: Courtesy of Gucci

---fadeinpager---

240806_gucci_bamboo_7.jpg

キャンバスに油彩という伝統的な画材を用い、布生地や柄のパターンなど、絵画以外のイメージを絵画に置き換え、静謐さとともに油彩ならではのテクスチャーとレイヤーが同居する抽象作品を生み出している画家の八重樫ゆい。彼女の代名詞とも言えるシンプルながら印象的なラインやパターンを、今回はバッグの革のボディをキャンバスに代えて描いた。フリーハンドで革に直接描くことで、微妙なタッチと繊細なグラデーションが唯一無二の表情をつくり、彼女の繊細な感性をまとった「グッチ バンブー 1947」に。  photography: Courtesy of Gucci

「Bamboo 1947: Then and Now
Celebrating 60 years of Gucci in Japan

バンブーが出会う日本の工芸と現代アート」展

会期:開催中〜2024年9月23日(月・祝)
会場:グッチ銀座 ギャラリー
東京都中央区銀座4-4-10 グッチ銀座6-7階
営)11:00〜18:00 最終入場17:00
入場無料・予約不要
www.gucci.com/jp/ja/nst/bamboo-1947-ginza
問い合わせ先:
グッチ クライアントサービス
0120-99-2177(フリーダイヤル)

text: Natsuko Kadokura

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

Business with Attitude
Figaromarche
あの人のウォッチ&ジュエリーの物語
パリシティガイド
フィガロワインクラブ
BRAND SPECIAL
Ranking
Find More Stories