残革を蘇らせる、アップサイクル専門店が誕生。
Fashion 2024.09.21
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下町でレザーグッズを中心に手がけるブランドが、アップサイクル専門店をスタート。残革を有効活用して、循環型社会を実現しようという取り組みとは。
東京・蔵前の国際通りでひときわ目を引く、グリーン×ホワイトのひさしとビビッドカラーのレザーバッグを飾ったウィンドー。レザーグッズを中心としたブランド「カルクル」が運営する「SLAPS BASE」は、"デッドストックレザー(残革)をアップサイクルする"というコンセプトのもとに生まれたユニークなショップだ。小さなハンドバッグやパース、カードケースといったアイテムに使用されているのは、ピンクやブルーのメタリック加工や、全面にパンチングを施したものなど、ほかではあまりお目にかかれない個性的な革素材。革問屋の倉庫に眠っていた残革を活用しているという。
スマートサイズのマルチウォレットはポップなカラーも魅力的。
「SLAPS BASE」では、小さなキズ、染色による色ブレなどから市場に流通しなかった残革を、「カルクル」のデザイナーが自らミシンを使ってオリジナルのレザーグッズに仕立てている。素材の厚み、サイズ、色味に応じて最も適したデザインを起こしているのが特徴だ。バリエーション豊かな革を扱えるのは、自社に工房をもち、企画から製造、販売までを一気通貫で行う体制が整っている「カルクル」ならではといえるだろう。
コンセプトにもなっている「アップサイクル」を全面に打ち出した店舗。
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ベースの革素材やステッチ、裏地などを自由に組み合わせて自分だけのレザーグッズを作れるファストオーダーメイドにおいても、革素材のラインナップに残革を含めるなど、「カルクル」では以前から革の有効活用に取り組んでいた。
「そのようなスタンスでものづくりを続けるうちに、あるレザーの卸問屋から、『色ブレやキズなどで流通できなかった残革を、どうにか活用できないだろうか』という相談を受けました。その一言がきっかけで、アップサイクルをテーマにしたショップを作ることにしました」と言うのは、「SLAPS BASE」のプロジェクトを担当している瀧島浩志さん。
同店にあるレザーアイテムはすべて残革で仕立てられたもの。目移りするほど豊富なデザインやカラーバリエーションが揃う。
「うちには裁断の職人もいるので、バッグを裁断した残りの革でポーチを作り、さらにその余りでカードケースを作り......というように、余すことなく活用しています。中途半端に余った革を活用してフリンジをあしらったり、ポケットを付けたり、サイズが足りなかったら異なる革でバイカラーにしてみたりと、デザインで遊べるのもアップサイクルのおもしろさ。古着屋で一点ものや掘り出し物を探す感覚で、レザーアイテムを選んでいただけます」
使用されることなくクルマと一緒に廃棄されてしまうエアバッグから生まれたショルダーバッグ。エアバッグのナイロン生地は、きれいに洗って染色し直されている。残革でカードホルダーをあしらった。
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当初は、「蔵前の街歩きを楽しんでいる女性に向けて、華やかでユニークな商品を」とアップサイクル品を作っていた。しかし近年は男性のファンも増えてきたそうで、ビジネスシーンにもフィットするような落ち着いたトーンの商品も開発している。
「『カルクル』のブランドコンセプトは、"ノージェンダー・ノーエイジ・ノーボーダー・ノールール"。年齢や性別、趣味嗜好にかかわらず、みなさまにアップサイクル品を手に取っていただけるよう、私たちならではのレザーグッズを制作していきます」
今後は、全国で問題になっているジビエ革の活用にも取り組みたいと考えている「SLAPS BASE」。ものづくりの現場だからこそ実現できる「ありそうでどこにもない」アップサイクル品で、循環型社会の実現に向けて資源ロスという課題に向き合っていく。
本革のよさを最大限に引き出すために考案された無縫製のミニウォレット。
東京都台東区蔵前4-20-12福谷ビル1階
Tel: 03-5820-8398
https://www.carcru.com/shop-info/kuramae
Instagram: @slaps_base01
* 日本タンナーズ協会公式ウェブサイト「革きゅん」より転載
photography: Midori Yamashita, editing & text: Ryoko Kuraishi