レザー×い草で、日本の素材の心地よさを伝える。

Fashion 2024.10.31

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インソールに畳を使ったレザーシューズ!? ユニークなシューズを展開する「Liberato」が、日本の自然素材にこだわる理由。

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2022年に誕生した「Liberato(リベラート)」はレザーとい草という、日本で長く愛されてきた自然素材を組み合わせるシューズ&アクセサリーブランドだ。創設したのは、長くハイブランドシューズの輸入業に携わってきたHideさん。

立ち上げのきっかけはコロナ禍。ライフスタイルが大きく変化するなかで、等身大の暮らしに寄り添う製品を扱いたい気持ちが大きくなったという。

「一から作り上げるなら、一般的なシューズではなく、ほかにはないものがいい。そこで、日本の履き物の歴史に立ち返ってみようと思ったのです」

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デザイナーでファウンダーのHideさん。前職でもレザーを扱うことが多かったという。「国によって風合いや発色が微妙に異なるのがレザーのおもしろさ。日本のレザーには日本らしい特徴が表れています」

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日本では長く草鞋や草履が愛用されてきた。その素材が、畳にも使われているい草だ。防臭性や湿度調整機能に優れた自然素材だが、和式から洋式へと生活スタイルが変遷していること、海外から安価ない草が大量に入ってくることから、国内の生産量は激減している。国産のい草をほかの用途に使えないかと考えたHideさんは、畳の端材をインソールにすることを思いつく。

「現代の代表的な素材であるレザーと、古来、日本で重宝されてきたい草という異なる素材を組み合わせることで、ユニークなコントラストを生み出せるのではないかと考えました。レザーは、日本の皮革産業を代表する産地のひとつであり、平安時代から製革を行ってきた姫路に着目。高い鞣し技術と、革づくりに適した土地と気候から生み出される高品質の姫路レザーを使うことにしました」

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「Liberato」の素材サンプル。レザーは姫路で鞣されたステア(成牛)の皮のみを使用している。「食用となった家畜動物の命を無駄にすることなく、副産物である皮を最後まで有効活用したいと思っています」

この組み合わせは性能面でも優れていた。足裏には多くの汗腺があり、シューズのなかで1日にコップ1杯ほどの汗をかくといわれている。レザー×い草はシューズの蒸れを解消するのに効果的な組み合わせだった。吸湿性をもつレザーが汗を吸い上げ、い草がドライな履き心地を保ってくれる。

伝統的な素材を使い、快適さと実用性をかなえたのが、「畳ローファースリッパ」だ。アッパーに使ったのは、食肉の副産物として生じた成牛皮を植物タンニンで鞣し、日本エコレザー基準(JES)を満たした姫路産ステアレザー。「畳ローファースリッパ」に適した素材を探してたどり着いたもので、表面にシボがあり、肌触りが抜群にいい。内側の甲に触れる部分は裏地のない仕立てによってレザーの柔らかさを肌で感じる事ができ、ふわっと包み込まれるような履き心地をかなえた。

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ラッカー仕上げの艶やかなアッパーと、ナチュラルない草のコントラストが魅力的な「畳ローファースリッパ」。日本有数のシューズの産地である奈良で、職人がハンドメイドで仕立てている。カラーは写真のホワイト、ブラックのほかにダークブラウンがあり、サイズ展開は男女共通の23〜28cm。

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その後、夏にぴったりの「畳サンダルスリッパ」、さらに経年変化を楽しめる革小物シリーズとして「畳ウォレット」、「畳ポーチ」、「畳ショルダーバッグ」といったアクセサリーもラインナップに加わった。2024年の夏には、ネイビーやブラウンなどダークカラーに染めたカラー畳が登場。よりモダンな印象となっている。コレクションブランド「FRAPBOIS」やエシカルなライフスタイルセレクトショップ「CASA FLINE」など、他ブランドとの別注コラボレーションモデルの取り組みも始まり、「Liberato」によるレザー×い草の世界観が広まりつつある。

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上段は手のひらに収まるコンパクト設計の「畳ウォレット」。コインケースのフラップから畳を覗かせるデザイン。下段はマチ付きで見た目以上の収納力を備える「畳ポーチ」。

「レザーとい草という異素材の組み合わせはいろいろなアイテムに展開することが可能です。今後は帽子や、より幅広いデザインのバッグなどを発表し、カテゴリーを増やしていきたいと思っています。そしていずれは海外のマーケットにもチャレンジしていきたい。国内外の消費者に向け、素材が持つストーリーを大切に、丁寧に発信していきたいですね」

姫路レザーと国産い草、伝統の素材をモダンなデザインに乗せそれぞれの魅力を伝えていく。

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取り外し可能なストラップ付きの「畳ショルダーバッグ」は、ストラップを外せばクラッチバッグとしても使える2ウェイ仕様。

* 日本タンナーズ協会公式ウェブサイト「革きゅん」より転載

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photography: Midori Yamashita, editing & text: Ryoko Kuraishi

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